その弐拾壱 ページ23
ゆっくりと目を開くとそこには涙目のナルトがいた。目が合った瞬間、ボロボロと涙を溢し抱き付かれた。
「Aーー!!!よかった!本当によかったってばよ!!!」
「うるせー。ちょっと落ち着こうよ」
起き上がろうとしたが、体に鋭い痛みが走り起き上がることはできなかった。暫くするとサクラが現れた。持っていたお盆を床に落とした。
「A…!起きたのね、もう!心配したじゃない!」
そう言って駆け寄った。目元が赤くなっているサクラに微笑みかけた。
「おや、なんか久し振りだねぇ。いやー、でもいつみても可愛いね」
「バカっ!ふざけないでよ!」
頬を膨らまし腕を組んだ。そんなサクラにAはカラカラと笑った。サスケがこちらに気付くとゆっくりと近寄った。
「大丈夫なのか?お前が庭で倒れていてから3日はたったぞ」
「やだっ、心配してくれてるの?優しい〜。流石サスケくん〜。かっこいいー」
そう言ってふざけてみると、眉間にシワを寄せ脇腹を殴られた。あまりの痛みに硬直していると最後にカカシが現れた。3人には席をはずしてもらった。
「大丈夫?血塗れで倒れてるのみた時、吃驚したよ…記憶はあるか?」
「あ〜、ありますよぉ。ちなみに再不斬って…」
「死んだ。その部下の白もな。再不斬は白に寄り添って死んだ。二人は裏切られたのさ。雇い主であるガトーにな」
Aは険しい顔をした。勢いよく背中が痛むのをお構いなしに起き上がった。溜め息を一つ吐くと頭を掻きふと、思った。
「…あん時手加減しやがったな……」
自分が生きているということは、止めを刺さなかったのだろう。借りができてしまったにもかかわらず死んでしまったとは、Aにとって後味が悪い。
「……ま、お前も思うとこはあるだろうが今回で間違いなく全員大きく成長した。勿論Aもな。傷が治ったら直ぐに里に戻る…暫くは安静にな」
「ってことは、まだツナミさんと一緒にいれるって訳ですね!よっしゃあ!」
そう言ってガッツポーズをとると、カカシに苦笑された。一言お大事にと呟くと部屋を出ていってしまった。それを見届けると、Aは布団を強く握り締めた。
「…ッ…悔しい…!…自分が情けねぇよ……忍者って一体なんなんだよ…!…」
Aは顔を布団に埋めた。酷く恐ろしかった。忍の生き方が。二人は道具として扱われ簡単に捨てられたのだ。Aもまた忍だ。苦しくて悔しくて仕方なかった。Aはその日久し振りに声を殺し泣いたのだった。
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Rin´(プロフ) - tukihoさん» ありがとうございます(о´∀`о)part2へ続いていますので、早めに更新出来るよう頑張ります! (2017年7月8日 15時) (レス) id: 71af32377f (このIDを非表示/違反報告)
tukiho(プロフ) - Rin´さん» とても上手いと思いますよ!!お話面白いので更新頑張って下さいね!! (2017年7月8日 14時) (レス) id: 296f9ab165 (このIDを非表示/違反報告)
Rin´(プロフ) - tukihoさん» コメントありがとうございます!その通りです!だじゃれです! (2017年7月8日 14時) (レス) id: 71af32377f (このIDを非表示/違反報告)
tukiho(プロフ) - 夢主君の術って『Rock』と『Lock』をかけてるんですか!? (2017年7月8日 14時) (レス) id: 296f9ab165 (このIDを非表示/違反報告)
Rin´(プロフ) - マヨラーさん» コメントありがとうございます!負けちゃいましたね。次回に期待しましょう( ^∀^) (2017年5月25日 23時) (レス) id: 435c1cb043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rin´ | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2017年4月15日 14時