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照れつつもすぐにキラキラと光る硬貨を見つけてしまう。
そしてその硬貨のほうへ一直線に走り、私のことは置いていってしまう。
北斗くんだって真緒くんだっていないんだから、
周りの目を気にせずにスバルくんに話しかけられるはず。
でも、いつもより緊張して言いたいことが言えない。
オウム返しのような会話になってしまう。
今だって、置いていかないで欲しいって言えばいいのに。
みじめにぽつんと一人で突っ立っている。
「……追いかけなきゃ」
追いついた頃の私といえば、ぜえはあぜえはあ喘いでいた。
スバルくんは私の背中をしきりに撫でながら、見ていた硬貨を紹介してくれる。
「あっ、ねえねえこれ凄いよ！」
「真っ金金だ！？ スバルくん、目痛くないの！？」
「潰れそう☆」
「えっ！？」
冗談なのか冗談じゃないのか全くわからない笑顔のスバルくん。
私は混乱しつつ、一応休憩をとろうとスバルくんを休憩スペースへと引っ張っていく。
スバルくんは「キラキラが〜！ 待って！ せめて触らせてから帰らせて！」と言っているけど、
触っちゃダメだし、まだ帰らないからね。
私は小さくため息をついて、自動販売機の前に立つ。
適当にポチッとボタンを押せば、マンゴージュースとカフェオレが出てきた。
キラキラしたのが好きなら、スバルくんにはマンゴージュースかな。
「スバルくん、マンゴージュースでもどうぞ」
「Aは気が利くね☆ ありがとう、大事に飲みます……！！」
すりすりと手をこすり合わせて拝むような姿勢になった。
お伊達だと利害している私は、苦笑いをしつつ相席する。
向かい合う姿になると、なんだか照れてしまうので、さりげなく斜めを向きつつ飲む。
すると、スバルくんが口を開いた。
「Aから見たら、俺たちってどう映ってる？」
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作者名：桃 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年2月26日 19時
