短編集JW

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淳太side

いきなり家に呼び出されて来たはええけど

黄「開けっぱなしやんけ」

鍵もされてないドアは簡単に開いた。

黄「しげ？入るで？」

家に入れば真っ暗で、電気のついてる部屋はひとつもない。

黄「ほんまにおんのか、」

さすがにこんなでっかいドッキリはせえへんと思うけど。

あいつのことやからあり得そう。

赤「…………じゅんた、？」

通りすぎた部屋から小さい声が聞こえて

黄「しげ？」

ドアを開ければ、ベッドに寝転がってる、

というか倒れてるしげがいた。

黄「なに、どうしたん、」

赤「………ほんまに来たんや、」

黄「お前が呼んだんやろ、…………あっつ、熱あるやん、」

とりあえず電気をつけて、コップ一杯水を飲ませる。

起き上がらせる時も、力入らへんのかだいぶしんどそう。

赤「………ごめん、疲れとんのに、」

黄「ええよ、そない疲れてへんから」

お前の電話で疲れなんか吹っ飛んだわ。

黄「今日なんやったん、」

赤「ドラマ、撮ってた、」

黄「ん、お疲れさん」

汗かいてる髪の毛を、近くにあったタオルで拭いてあげた。

赤「あぁ、…………、」

黄「どうしたどうした」

体調悪いからか、それとも違う理由からか、

倒れこんできたしげは、俺に抱きついてるような感じで

赤「………しんどいときさ、一人やと、もっとしんどいな、」

黄「なんで俺にしたん、」

赤「……………きっつ、ちょっと寝るわ、」

黄「無視すな」

気づいてんねんで俺は。

しげも、多分。

ここで帰ろうとすれば、きっと止めてくれると思うけど

黄「今日泊まってく」

今日は、もう離れる気ならへん。

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