こたしげ物語

焼きもち、喧嘩(リクエスト) ページ43

神山side

のんちゃんがいない楽屋のなか。

赤「見て！この小瀧かっこええやろ？」

緑「せやね」

赤「これも、……これもかっこいい！」

ソファーに座ってバタバタしとる。

のんちゃんは撮影で今おらんし、さっきから雑誌しか見てへん。

赤「かっこいい、」

幸せそうでなにより。

青「いって……」

緑「どうしたん？大丈夫？」

どこかにつまづいたのか、流星が転びそうになって

ていうか、めちゃめちゃ不機嫌。

青「なんなんお前」

流星はしげを睨んでる。

青「お前に蹴られたんやけど」

赤「へ？俺蹴ってへんよ」

青「蹴られたって言ってんねん、謝って」

珍しく流星がキレとるから、楽屋のなかは静まり返る。

しげは雑誌抱えて黙っとるし。

青「謝れって。日本語分かる？」

赤「ちゃう、蹴ってない、」

青「気づいてへんだけやろ、俺は蹴られたんやから」

赤「でも蹴ってない、」

青「だから、謝れって」

黄「流星落ち着きや」

橙「せやで、なにがあったん？」

しげに殴りかかりそうなくらい怒ってる流星を、二人が止めて

黄「しげ、蹴ったん？」

赤「蹴ってない、」

青「は？」

赤「ほんまに、ほんまに蹴ってなくて、」

橙「流星は？蹴られたん？」

青「蹴られた。こいつ雑誌見てて気づいてないだけやろ」

確かに、それはあるかもやけど、

楽屋のドアが開いて、のんちゃんが戻ってきた。

赤「小瀧、」

青「逃げんなや」

橙「ちょ、流星！」

赤「やめてや！」

あかんて、

流星がしげの胸ぐらつかんどる、

なんでそんな怒るん。

赤「痛いってば！」

青「お前が謝れば済む話やろ」

桃「あーうるせぇな」

のんちゃんの低い声が楽屋に響き渡って

桃「なにがあったんかしらんけど」

流星の手を離させた。

青「こいつに蹴られたから謝れって言っただけやけど？」

桃「蹴ったん？」

赤「蹴ってない、……けど…………もしかしたら、………当たったかもしれへん、」

青「望来た瞬間認めるんや？ほんま腹立つ」

赤「違う、やって流星が話聞いてくれへんから、」

青「は？俺のせいにするん？」

赤「して、へん、でも、話聞いてくれなかった、」

あーあ、しげ泣いてもうた。

さすがに怖かったんかな。

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