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小瀧side
授業中、ずっとうつむいてるしげ。
なんでそんなにもあいつが好きなのか、俺には分からない。
今まで散々泣かされて、辛いって言うてたのに。
しげの手が顔に近づいて。
また泣いてるんや。
無償に腹がたって。
付き合ってるくせに女と遊んで、しげのことほったらかしてるあいつが。
影で泣いとんの、知らんやろ？
お前がそんなんやから、そんなダメな彼氏やから、
俺が奪ってやりたい、なんて思うけど
しげにはあいつしか見えてなくて。
俺が忘れさせてやる、心で思ってても頭では分かってる。
そんなこと言ったって、俺がしげを奪ったって、しげは俺のことを好きにならないこと。
やから、少しでも力になりたくて、支えてやりたくて。
純粋にそばにいたい、そう思ってても好きって気持ちは日に日に増して。
友達なんかじゃ足りなくて、親友とか幼なじみとかそんな立ち位置やなくて、
ただ、しげの好きな人になりたい。
あいつやなくて俺を、好きになってほしい。
俺なら絶対泣かせたりしない。
俺なら幸せにさせてやれる。
俺なら…………
無責任に、俺なら、を繰り返して。
結局しげを支えてあげることもできない。
妄想のなかでしか好きな人を守ることもできない、助けることもできない。
自分が情けなくて。
あいつからしげを離したい、そう思ってるのはきっと俺だけで。
願いが叶うなら、なんて神頼みするくらい弱い男やけど
もうこれ以上好きな人が泣いてるとこはみたくない。
しげの無理してる笑顔なんかみたくない。
やから………
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作者名：・み・
| 作成日時：2019年10月26日 22時
