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小瀧side
赤「………ほんまごめん」
桃「大丈夫やって」
夜、またしげが泣いて電話してきた。
今日はたまたま親もおらんし、心配やから泊まらせることにして。
でもベッドはひとつしかないから
桃「嫌やと思うけど我慢してな」
それなりにでかいベッドに二人ならんで。
隣にしげがいるって考えただけで心臓がうるさくて。
少し、しげとの距離をあけた。
赤「………流星………なにしてるんかな」
一人言のようにつぶやいたしげの顔は、暗くて見えない。
赤「………………会いたいな」
声が震えていた。
ドキドキしとんのは俺だけで、やっぱりしげのなかに俺はこれっぽっちもいなくて。
赤「………あ、かん…………無理や………っ」
泣いてしまったしげの頭を撫でて。
ほんま一途やねんな、悔しいくらいに。
全然俺の気持ちに気づかへんから。
流星、流星、って
俺のことなんか頭にないんやろ？
そんなんさ、俺やって辛いで。
涙が一粒こぼれた。
しげにばれへんようにぬぐって。
泣いてるしげの背中をさする。
小刻みに震えてた背中は少し落ち着いて。
しばらくすれば、寝息が聞こえてきた。
スマホを開けばもう時刻は0時をまわってて。
向こうを向いて寝てしまったしげの頭を、
優しく撫でる。
なぁ、好きやで。
ずっと前からお前しか見えへんかった。
お前しか、興味なかった。
あいつと別れた今なら、奪うこともできるけど
そんなことせえへんよ。
そんなことしたって、しげは幸せになれないから。
しげが心から笑えるようになるなら、それでいい。
俺は、しげが好き
好きやけど、
あいつのことが好きなしげが、好きなんや。
桃「………大好きやで」
寝てるときくらい、許してな。
１回くらい伝えたかったから。
ほんとはお前の好きな人になりたかった。
でも、それは無理なんやろ？
あいつしか見えないんやろ？
それなら、俺は全力で応援する。
頑張れ、しげ。
諦めんな。
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作者名：・み・
| 作成日時：2019年10月26日 22時
