それでも俺は、 (ページ3)

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重岡side

桃「おは……」

学校へ行くと、小瀧が俺の席にいて。

慌てて前髪をおろした。

桃「………また泣いてたん」

赤「少しな？ほんまに、ちょーっとだけ」

嘘。

昨日ずっと泣いてたから目腫れてもうて。

冷やしたしばれへんと思ったけど、ばれてたんや。

桃「なぁ、」

赤「今日一時間目なんやっけ？」

桃「しげ、」

赤「英語か。英語苦手やねんなぁ」

桃「聞けって」

どうせ、流星のことやろ？

聞きたない。

また、泣いてしまうから。

桃「もうさ、別れ……「別れへんよ」

別れた方がいい、そんな言葉もう聞き飽きた。

別れた方がいいのは分かってる。

でも、別れられないんや。

別れを切り出して流星に嫌われるのが怖い。

それが一番怖いから。

桃「しげ、」

赤「大丈夫、大丈夫やから、………流星の話せんといて」

桃「………ごめん」

赤「ええよ、ほら授業始まる」

ごめん、小瀧。

心配してくれとんのは分かってる。

でも、どうしても別れられない。

別れたくない。

流星が好きなんや。

すごく、すごく好きなんや。

流星は俺のこともう好きやなくても、俺は好き。

今辛くても、俺には数えきれないくらいの幸せな思い出があるから。

流星との思い出、たくさんあるから。

いつかまた、あのときみたいに戻れるって信じてるから。

涙が流れるのを耐えて、席に座った。