それでも俺は、 (ページ20)

今日:14 hit、昨日:17 hit、合計:61,265 hit

20 ページ20

流星side

「流星？どうしたの？」

友達に放課後誘われて。

いつもなら楽しいのに、今日はどこも楽しくなくて。

青「ごめん、今日は帰る」

「え～！流星いないとつまんないじゃんー」

青「ごめんって。また今度な」

止められるけど、半ば強引に店を出た。

辺りは真っ暗で。

もう７時か。

ただでさえ落ちている気持ちは、この夜のせいでさらに落ちて。

一人歩く帰り道は、ものすごく寂しかった。

先輩と別れたとか、信じたくなくて。

スマホを開いてみても、やっぱり連絡はない。

もしかしてもう連絡先消されてるんかな。

あまりにも惨めすぎる自分に、笑えてくる。

下を向いたとき、頬になにか落ちて。

今まで誰かを想って泣いたことなんか、一度もなかった。

青「………先輩………っ」

なんで、別れるなんて言うんですか？

俺はこんなにも大好きやのに。

他の人と付き合うとか、そんなの考えたくない。

先輩があいつに触れられるなんて、嫌です。

先輩、

好きです。

俺は先輩のことが大好きです。

って、ちゃんと伝えたのはいつやっけ。

最後に先輩を抱きしめたの、いつやっけ。

いつの間にか先輩との距離は遠くなってて。

俺が子供やから、

子供すぎたから、

先輩を傷つけた。

先輩が俺のこと好きって、

その言葉に安心してクラスの奴らとばかり絡んで。

先輩はきっと俺から離れていかない、なんて思い込んで。

なんで今気づいたんやろ。

俺、全然先輩のこと見てなかった。

先輩のこと、なにも知らなかった。

先輩を、愛せていなかった。

やから先輩は…………

青「……ご、めん……なさい…………っ」

好き、って伝えなくて

ちゃんと見てあげられなくて

たくさん傷つけて

たくさん泣かせて

ごめんなさい。

今なら言えるのに。

後悔とか、そんな言葉じゃ表せれないくらい

辛くて、苦しくて。

泣いても泣いても、先輩への気持ちは消えなくて。

やっぱり俺には先輩しかいないんや、って

今さら気づいても遅いことくらい、

バカな俺でも分かる。

でも、それでも、

俺はもう他の人なんか好きになれない。

先輩だけが好き。

先輩だけで、十分なんや。