それでも俺は、 (ページ19)

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重岡side

学校を出た瞬間、ずっと我慢してた涙が溢れて。

あんな風に止めてくれたの初めてやったから

また戻ってしまいそうで。

桃「………無理して別れんでもいいんやないの」

分かってんで。

流星を試すようなことしてるのも分かってる。

でも、もう嫌なんや。

流星が俺以外の誰かを見てるのが

流星のなかに俺以外の誰かがいるのが

流星が俺以外の人に触れるのが。

流星との時間が減るたびに独占欲は強くなっていった。

小さなことでも嫉妬してしまう自分が凄く嫌いやった。

流星に気づいてほしかったんや。

寂しかった、って。

でも気づいてくれなかった。

なにも、変わらなかった。

俺も、変われなかった。

赤「ごめん………小瀧のこと利用してもうた」

桃「ええよ、気にしてへんから」

最後まで嘘ついて。

これできっと、流星から嫌われた。

それでいい。

それで流星のことを忘れられるんやったら。

赤「……大好きやったなぁ」

笑ってみるけどやっぱり苦しくて。

片想いの時よりもずっと苦しい。

大好き、流星。

かっこよくて優しくて男らしくて

もっと色んな流星を見たかった。

もっと色んなとこに、デート行きたかった。

やり残したことたくさんあるけど、

流星と付き合えて良かった

幸せやった。

ありがとう、流星。

好きにさせてくれて、ありがとう。