それでも俺は、 (ページ18)

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小瀧side

桃「しげ、落ち着いた？」

赤「うん、ありがとう」

あれから、授業中も泣いてるときあって。

でもしげが決めたことなら、俺は口出しできひんから。

桃「帰ろっか」

まだ少し腫れてる目を前髪で隠して、教室を出ようとしたとき

しげは下向いてたから気づいてへんけど、ドアの前にあいつがいた。

青「………先輩」

その声にしげが振り向いて。

しげに近づいてくるそいつを止めることなんてできなかった。

青「……話あります」

赤「…………俺はないから」

青「待って、」

赤「言ったやんか、もう、終わりやって」

しげの声が震えてる。

青「終わりとか………勝手に決めつけんな」

赤「………行こ、小瀧」

しげに手を引かれたけど、こいつがしげの肩をつかんで。

青「好きな人、誰ですか」

俺の方を睨んできて。

しげのついた嘘に、気づいてやれてないんやなって。

やっぱりちゃんとしげのこと見てないやんか。

青「………こいつですか、」

赤「流星には………関係ないから」

青「関係あるから言ってんねやろ」

赤「…………ほんまにもうやめて」

青「なにが、なんで、なんで急に別れるとか、」

赤「急やないよ、ずっと………考えてた」

しげが俺の手をつかんで、いや、指を絡ませて。

赤「ごめん、………俺小瀧が好きやから」

青「ち、がう、先輩、………」

赤「ごめんな、」

目にかかった前髪の隙間から、泣いてるのが見えた。

それを隠すようにして、

その場を去った。