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重岡side
午後４時。
インターホンの音で目が覚めた。
朝はパンパンに腫れてた目も、今は少し引いていて。
良かった。
最後に見せる顔がブサイクやったら嫌やもん。
髪型も少し整えて、玄関を開けた。
青「あれ？今日学校休んだんですか？」
その言葉に、また視界が歪んで。
流星が知ってるはずないやんか。
俺の教室、来てくれないんやもん。
分かってたことやのにな。
赤「話したいこと……あってん」
青「話したいこと？なんやろ」
こうやって俺の家に上がってきたの、いつぶりやっけ。
流星と一緒に、二階へ上がった。
部屋に入ってベッドの上に座れば、流星はその下に座った。
切り出すなら早い方がいい。
泣いてしまう前に、はなさな。
流星に向き直ったけど、スマホをいじってて。
赤「………流星、変わったね」
青「ん？なにがですか？」
前は俺と二人の時、スマホいじったりしなかった。
向き合ってくれてた。
今は、話すとき目も見てくれない。
流星の視線はずっとスマホの画面。
きっとそのなかには、あの時一緒にいた女子もいるんやろな。
いちいち嫉妬してる自分が惨めに感じてくる。
青「せや、話ってなんですか？」
やっとこっち見てくれた。
でも、流星を見てたら言えない。
別れたくなくなる。
青「おーい、先輩？」
最後くらい名前で呼んでほしかったな、なんて。
もう遅いか。
赤「………俺さ、好きな人できてん」
これが、俺が思いついた別れるための嘘。
流星のことが大好きやからすぐ気づかれるかなって思った。
でも流星は表情ひとつ変えなくて。
青「知ってますよ、俺やろ？」
そう言って手に触れようとした流星から離れて。
赤「ちゃうよ、流星やない、別の人」
青「…………え？」
赤「ほんとはさ、……もっと前に言おうとしたんやけど、」
青「先、輩？」
赤「言うタイミング無くて、」
声が震えそうになるのを必死に耐えた。
青「………嘘、やろ……？」
嘘、って気づいてや。
俺は流星のことが大好きで、
流星以外好きになれないって。
青「なぁ………嘘って言ってや、」
俺は何回、流星に嘘を重ねたやろう。
大好きな人に嘘ついて。
俺も人のこと言えへんくらい、最低やな。
赤「やからさ、もう終わりにしよ」
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作者名：・み・
| 作成日時：2019年10月26日 22時
