不器用なふたり (ページ6)

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重岡side

翌日会社に行くと、思った通りやった。

あの３人が俺のデスクの前におって。

「ちょっとええかな？」

見せかけの笑顔で話しかけられる。

怖い、そう思いながらも後ろをついていく。

昨日神ちゃんと話してた部屋にいれられて。

「お前なんなん」

「最近調子のってるんちゃう？」

仕事押しつけてきたくせに偉そうなこと言いやがって。

俺は俺で頑張っとんのに。

言い返せない自分が悔しい。

「早く辞めれば」

「ここいたって役にたたないんやし」

辞めれるなら辞めたい。

でも、そんなん自分が仕事できないの認めてるようなもんやろ。

「与えられた仕事もできひんの？」

赤「………あれは俺のやないです」

「は？」

言い返せば、肩を壁に押し付けられる。

これもいつものこと。

なにかあれば、呼び出されて手出されて。

「目障り、って言葉知っとる？」

でも今日は言い返したからかな。

そのまま押されて床に倒れる。

下を向けば、髪を引っ張られて。

「消えてくれへんかな？」

３人は部屋を出ていった。

赤「……ありかも」

このまま消えるのも、ありかもしれへん。

そんなこと考え始めてる俺は、もう終わりなんかな。

あまりにも惨めな自分に、笑えてしまう。

もう疲れた。

なにもかも疲れたわ。