不器用なふたり (ページ50)

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緑「落ち着いた？」

赤「……ごめん」

緑「大丈夫やで」

涙は止まったはずやのに、またハンカチ目にあてて。

見てるだけでも苦しさが伝わってくる。

緑「もう俺まで泣きそうになるから、」

しげの肩を寄せてみれば、また声をあげて泣いた。

それを見て視界が歪んできた俺は、多分しげが家族と同じくらい大切やから。

俺の、初めてできた友達やもん。

赤「………淳太……っ」

緑「……ん、大丈夫」

なにが大丈夫なんか分からないけど、しげの背中さすることしかできない。

赤「………楽しくないって……っ…俺といても……楽しくないって……っ……もう指名すんなって……っ」

緑「……え？」

赤「ずっと……っ…負担かけてただけやった……っ」

緑「しげ、」

赤「好きやのに……っ…………苦しい……神ちゃん……っ」

なにも言わずに、強くしげを抱きしめる。

そんな苦しいこと、一人で抱え込んで。

どれだけ辛かったか、いや辛いって言葉じゃ表せないほど苦しかったんや。

赤「嫌われたくなかった……っ………淳太にだけは……っ……」

俺の肩にしがみついて泣いてるしげは、息するのさえしんどそうで。

なんで淳太さんはそんなこと言ったんやろうか。

見る限り、しげのこと嫌ってる風には見えなかった。

なんなら、気に入ってると思ってたのに。

のんちゃんが前に言ってたから。

淳太さんが、しげの話ばっかりしてるって。

寂しそうに話してたから。