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中間side
次の日、いつも通り店に入ればもう何人かの人は来てて。
そのなかにはのんちゃんもいた。
昨日のことがあったから少しだけ気まづい。
「淳太今日どのくらい入ってる？」
黄「多分8人くらいやと思います」
オーナーと、仕事の話を交わして。
荷物をロッカーにいれたとき、誰かが隣に立ってて。
桃「話……いいですか？」
昨日泣いたからなのか、少し目が腫れてた。
黄「外行こっか」
桃「はい」
騒がしい部屋を出て店の裏側に向かった。
人通りもなくて、この町のなかでは静かな通り。
桃「昨日、すいませんでした」
黄「なんも。大丈夫やから」
頭を下げたのんちゃんの肩に触れようとした手をおろした。
昨日言われたばかりや。
好きな人いるのに期待させるようなことしたらあかん。
桃「やっぱり優しいです」
黄「え？」
桃「淳太さんのそういう優しいとこ、大好きなんです」
そう笑って言ってくるのんちゃんの笑顔は輝いてた。
桃「重岡くんのこと好きなのは知ってます。でも、俺はそれでも好きなんです」
さっきまでの笑顔はなくなって、真剣な表情をするのんちゃんから目をそらすことはできなくて。
桃「俺が絶対幸せにします。重岡くんのこと忘れさせますから………付き合ってください」
俺よりも少し背が高いのんちゃんが近づいてきて。
昨日みたいに抱きしめられる。
桃「……約束しますから」
俺はしげが好き。
でもしげは神ちゃんが好き。
のんちゃんのことを利用したいわけやない。
そんなひどいこと、大切な後輩にしたくない。
でも、今の俺を変えてくれるのはのんちゃんしかいなくて。
しげを突き放した以上、もうあの幸せを取り戻すことはできない。
叶わない恋から進めないんやったら、自分のこと好きな人と前に進みたい。
桃「……淳太さん………」
のんちゃんの背中に手をまわせば、さっきよりも強く抱きしめられる。
黄「好きにさせてや………しげのこと忘れさせて」
桃「当たり前です。俺、誰よりも淳太さんが大好きですから」
こんなカッコ悪い俺のこと好きでいてくれて。
そんなのんちゃんに頼ってしまう俺はやっぱりカッコ悪い。
でも、こんな俺でも幸せになる権利があるんやったらすがりたい。
のんちゃんのこと、好きになりたい。
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作者名：・み・
| 作成日時：2019年9月29日 10時
