不器用なふたり (ページ43)

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中間side

「……くん、淳太くん」

黄「……あ」

「大丈夫？疲れてるんじゃない？」

黄「大丈夫やで。ごめんな」

俺はなにを期待してたんやろ。

席座った瞬間避けられて。

目も合わへんし、神ちゃんに可愛いって言われて照れたり。

いつかのんちゃんが言ってた。

神ちゃんとしげは昔からの友達って。

俺には知らないしげを、神ちゃんは全部知ってて。

元々入る隙なんてなかった。

しげのなかに、俺はいなかった。

当たり前のことに今さら気づいて。

でももう取り返しのつかないくらいあいつが好きで。

「淳太くん？」

悲しさを埋めるように、この子を抱きしめる。

こいつがしげやったら、ってそんなこと考えたらあかん。

黄「今日は特別やで」

顔真っ赤にしてるこの子を見ても、なにか足りなくて。

俺にはしげしかいないんやって。

傷ついた心を癒すにはあいつが必要で。

でもあいつに俺は必要なくて。

神ちゃんが好きやから。

見てて分かる。

神ちゃんの方に近づいたのも、触られて顔真っ赤にしたのも。

全部神ちゃんが好きやから。

俺がいたら、二人の邪魔をしてしまう。

俺はしげが好きやから。

幸せになってほしいから。

身を引くしかないんや。