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重岡side
あれから2日がたった。
緑「しげ、今日も多そう?」
赤「んー、まぁまぁかな」
昼休みの間に置かれた書類たちは、いつもと比べると少し減ってた。
もう飽きてきたんやろ。
赤「今日一人でできそうやからのんちゃんとこ行ってき」
最近手伝ってくれるから、あまり会いに行けてない神ちゃん。
申し訳ないから今日くらいは行ってほしい。
緑「ほんまに………大丈夫?」
赤「ん。大丈夫」
緑「なんかあったら絶対電話してや」
赤「分かってるって」
緑「絶対やで。淳太さんより先に連絡してな?」
赤「それはどうやろ?」
神ちゃんが笑ってくれて、俺もつられて笑う。
緑「じゃあ、無理だけはせんように」
赤「ありがと」
神ちゃんが会社を出て、一人になる。
久しぶりの一人。
この量なら、今日中に終わりそう。
さっそく1枚手にとろうとしたとき、スマホがなって。
神ちゃんかな。
忘れ物したんかも。
なにも考えずに開いたら、表示されてる名前に驚きすぎて。
思考回路が止まってしまった。
それでもなり続ける電話。
無視するわけにもいかなくて。
通話ボタンを押した。
赤「………も、しもし」
黄「急にごめんな。今大丈夫?」
淳太の声がいつもより近くて、余計緊張してしまう。
赤「大丈夫、やけど………」
黄「良かった。今日仕事休みやから電話してみたんやけど、まだ会社?」
赤「うん」
黄「そっか。一人?」
赤「一人やで」
黄「会社には入ったらあかんよな」
赤「………多分」
用があって電話してきたんかと思ったけど、そうじゃないみたいで。
休みの日に俺に電話してくれたことがすごく嬉しくて、頬が緩む。
黄「今さ、外見れる?」
赤「うん、ちょっと待ってな」
立ち上がって、窓の方へ歩く。
外はもう暗くてあまりよく見えない。
黄「あ、見つけた」
赤「え……」
確かに、そんな声が聞こえて。
暗いなかよく見渡してみたら、手振って立ってる淳太がいた。
なんでここにいるんやろ。
期待してしまうからやめてほしい。
そんなこと思いながらも実際は嬉しくて。
黄「一人やと寂しいやろうから話そっか」
こんなこと、もう二度とないやろうから。
赤「ありがとう」
椅子に戻って、スマホの画面をスピーカーに変えた。
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作者名:・み・ | 作成日時:2019年9月29日 10時