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中間side
「淳太くん、聞いてほしいことがあるの」
黄「ん？」
「私、本気で淳太くんのことが好き」
黄「うん」
「私じゃ……ダメかな」
ホストをやってれば、告白されることも多くて。
返事は決まって同じ。
黄「ごめん、俺はみんなが好きやねん」
たらしって思われるかもしらんけど、これはホストの決まり文句やから。
お客さんは、平等に扱わなければならない。
「好きな人いるの……？」
黄「おらへんよ」
高校のとき彼女と別れたきり、好きな人もできていない。
やから、好きって感情がどんなものなのかも忘れてしまった。
「じゃあ………あの人は誰？」
そう言って指差した方には、うつむいてるしげがいて。
またなにか考え込んでるんやろうか。
不安が募る。
「淳太くん、いつもあの人優先してるよね。それはなんで……？」
黄「してへんよ。みんな同じようについてるから」
そのつもり。
偏りはあかんから、呼ばれたらすぐに行くようにしてる。
ずっと見てたら、しげが席をたって。
黄「ごめん、「またあの人のとこ？」
腕をつかんでくるから動けなくて。
黄「すぐ戻るから。約束する」
なるべく優しくそう言えば、つかんでた手を離してくれた。
どんどん距離が遠くなるしげを追いかけて。
黄「しげ、」
名前を呼べば振り返る。
気のせいかもしらんけど、少し苦しそうに見えた。
黄「無理してへん？つらいことあったら言ってな」
赤「……ありがと」
そのまま背を向けて行ってしまった。
しばらくそこから動きたくなくて、歩いていくしげを目で追う。
また明日、来てくれへんかな。
気づいたらそんなこと考えてて。
１週間に１回は、とか言ってたけどほんとは毎日顔見たい。
あいつのことが心配で仕方なくて。
でもそんな理由だけじゃない気もして。
心に残る違和感を解決できることなく、店に戻った。
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作者名：・み・
| 作成日時：2019年9月29日 10時
