不器用なふたり (ページ23)

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重岡side

緑「なぁほんま大丈夫なん？」

赤「大丈夫やって」

それから２週間、あの店に行くのもやめて。

それが原因なんか分からんけど、体調を崩すようになった。

それでも積まれる、先輩達からの仕事。

緑「ちょっと待ってください」

神ちゃんが先輩の腕つかんで。

緑「しげ、体調悪いんです。ずっと残業続きでもう倒れそうなんです」

「倒れればええやん」

ほら、こういう奴なんやから。

ほっとけばいいのに。

やのに神ちゃんはつかんだ手を離そうとしない。

赤「神ちゃんええから」

緑「よくない」

赤「大丈夫って」

先輩の方を見れば、鼻で笑われて。

そのままここを離れた。

緑「なんで断らへんの。このままやとほんまに危ないって」

ほんとは断りたかった。

腹痛もひどいし、めまいもするし。

でも、言われたから。

あの店に通ってたとき、毎日のように言ってくれた。

頑張れ、って。

まだそんなこと言ってる俺はやっぱり諦めきれてないんかな。

惨めすぎる自分に笑えてくる。

でも、これでいいんや。

いつか忘れられればそれでいい。

もう淳太のなかに、俺はいないんやから。