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重岡side
緑「あとどれくらい?」
赤「多分半分以上ある」
神ちゃんも手伝ってくれて。
もう10時過ぎとんのに。
緑「絶対間に合わせるで」
要領がいい神ちゃんは、どんどん進めていって。
俺も必死に仕事と向き合う。
店は12時に閉まるから、それまでに間に合えばいい。
少しでも会えればいいから。
残りもあと3分の1になる。
神ちゃんは、眠い目を擦りながらも手を止めずにいてくれて。
赤「いつも巻き込んでもうて、ほんまにごめん」
夜遅くまでいつも手伝ってくれる神ちゃん。
正直、迷惑って思ってるかもしれへん。
ていうか、普通なら思うはず。
やのに神ちゃんは優しいから
緑「ごめん禁止。俺が手伝いたいからやってるだけやろ?しげは大切な友達なんやから」
可愛い笑顔でこっちを向いた神ちゃんと目が合う。
緑「はよ終わらせて淳太さんに会いに行くで」
赤「ん。ありがとう」
またパソコンに向き直る。
1枚1枚入力していって、山積みだった書類もあと50枚ほどで終わる。
でも、時間は過ぎていって。
11:00前になってしまった。
店まで急いでも30分はかかる。
あと30分でこの量終わるとは思えなくて。
やっぱりダメか、諦めかけたとき神ちゃんが隣に来て。
緑「あとは俺やっとくから、行ってき」
赤「それはあかんよ。神ちゃんの仕事やないんやから」
緑「でもしげの仕事でもないやろ」
それはそうやけど、神ちゃんに全部やらせるのは申し訳なくてできない。
緑「はよ行けって。まだ間に合うから」
ほんとはちゃんと終わらせてから行きたい。
でもそれだときっと間に合わない。
申し訳ないけど、残りの書類を神ちゃんに渡して。
赤「ほんまにごめん」
緑「ごめんやなくて?」
赤「……ありがとう」
緑「ん。いってらっしゃい」
カバンを渡されて、会社を出た。
走って駅まで向かって。
出発ぎりぎりの電車に乗り込む。
間に合いますように。
会うだけでもいいから。
会えればまた明日頑張れるから。
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作者名:・み・ | 作成日時:2019年9月29日 10時