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重岡side
緑「しげー、今日行くやろ？」
赤「せやな」
今日は、淳太の誕生日。
バースデーイベントって言うらしく、淳太を指名してる人はほとんど来るらしい。
「神山ー」
緑「ごめん呼ばれてもうた！」
神ちゃんが行ってから、またパソコンに向き直る。
早く仕事終わらせよ。
その時、誰かに肩触られて。
「今日どっか行くんや？」
「出来損ないのくせに遊ぶ余裕はあるんやなー」
いつかはこういう日が来るって分かってた。
でも今日だけはやめてほしい。
今日は、どうしても行きたいから。
「行かせへんよ？こんなに残ってるんやから」
机の上に、山積みの書類を置かれて。
いつもの倍はある気がする。
全部、先輩達の仕事やのに。
赤「すいません、明日必ずやるので今日は早く帰らせてください」
「は？」
赤「お願いします」
もし明日行けなくても、今日行ければいいから。
今日は淳太の誕生日やから。
深く頭をさげれば、髪を捕まれて上を向けさせられる。
「いいからはよやれ。終わらなかったらどうなるか分かっとんのやろ？」
なにも言い返せないまま先輩達は行ってしまった。
こんな量、今日終わるわけないのに。
悔しくて泣きそうになって。
トイレにかけこんだ。
スマホを取り出してトーク画面を開く。
赤[ごめん今日行けない]
そう打ってみたけど、送りたくなくて。
会いたい。
淳太に会いたい。
スマホに一粒涙がこぼれ落ちる。
いつからこんなに弱くなったんやろ。
今までならこんなことで泣かなかったのに。
きっと淳太と出会ってから、弱くなったんや。
人の優しさに気づいてしまったから。
打った文字を消していく。
終わらなくても、やってみよう。
淳太に会えるなら、頑張るんや。
なんとか気持ちをたて直して、仕事に戻った。
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作者名：・み・
| 作成日時：2019年9月29日 10時
