不器用なふたり (ページ14)

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「お疲れさまでした～」

周りの声で顔をあげると、もう夕方の６時。

昼飯食うの忘れてたし

けっこうかかってもうた。

でもあと４分の１で終わる。

頑張った方やと思う。

残りの書類を取ろうとしたら誰かがその書類を取って。

緑「手伝う」

神ちゃんが半分くらい書類を持っていこうとした。

赤「大丈夫やから」

緑「大丈夫やない。一人でできるわけないやろ」

やっぱり神ちゃんは優しいわ。

そう思って見てたら、急に慌て出して。

緑「ちゃうよしげができないとかやなくて一人でできる量やないってことやで、しげだからやないからほんとに！」

早口で必死に言ってきた。

それがちょっと面白くて。

緑「な、なんで笑うん！」

赤「いや、可愛いなって」

緑「もう！はよやるで」

赤「ありがと」

結局神ちゃんが手伝ってくれて。

そのおかげか、すぐに終わった。

今日は泊まりかなって考えてたけど、10時に終わらせれた。

赤「ほんまありがとう」

緑「なんもなんも！俺はしげの味方やもん」

例えその言葉が嘘でも、嬉しかった。

一人でもそんな人がいたら、俺は頑張れる。

緑「じゃ、俺はのんちゃんとこいかなあかんから帰るな！お疲れ！」

出ていこうとする神ちゃんを追いかけて横に並ぶ。

緑「しげ家逆やない？」

赤「今日は俺も行くから」

緑「そうなん？！え？！ほんまに？！」

目飛び出そうなほど驚いとる。

緑「しげもついにはまったんやな～！」

嬉しそうやからええか。

神ちゃんと歩いて、駅まで向かう。

こんな楽しい気持ちになるの、いつぶりやろ。

心がすごく軽かった。