不器用なふたり (ページ12)

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赤「一人は嫌や…………っ」

つい本音が出てしまう。

もう一人になりたくない。

誰でもいいから、認めてほしい。

出来損ないでも、生きる価値はあるって言ってほしい。

赤「頑張るから………っ……生きたい………っ」

ほんとは消えたくない。

消えてしまうのが怖いんや。

俺がいなくなっても動き続けるこの世界が、怖い。

黄「お前は生きてええねん。生きなきゃいけない」

腕が離れて、振り向けば目が合う。

黄「辛くなったり、しんどくなったら絶対来てな。俺はお前のこと見捨てたりせえへんから」

ホストなんかに頼るのはカッコ悪いって思ってた。

でも、今の俺にはこいつが必要や。

こいつがいなきゃ生きていけない。

なんとなくそう思った。

赤「……ナンバーワンやのに相手してくれるん」

黄「指名してくれたらいつでもつくで」

赤「明日………来るかもしれへん」

黄「ん。待ってる」

俺のことを待っててくれる人がいる。

それだけで救われるんや。

頑張ろう。

明日、また頑張ってここに来よう。

生きるのが少し、楽しくなってきた気がした。