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重岡side

赤「おはようございます」

会社に行くと、みんなが俺を見てきて。

いつものことやから、自分の席に座ろうとしたら俺の席はなくて。

後ろから笑い声聞こえたから振り返ったら

緑「まだ来てたんや?」

赤「か、みちゃ………」

緑「神ちゃんとか呼ばんでくれん?友達やないんやし」

赤「ちゃう……友達やろ………?」

緑「は?お前みたいな出来損ないと友達なるわけないやん」

嘘や、神ちゃんは神ちゃんだけは………

赤「………ゆ、め……」

良かった、夢やった。

気づいたら、周りはもう暗くて。

がやがやと騒がしくなってきた。

スマホを開くと、もう夜の8時。

そんな寝てたんや。

座り直して、周りを見渡す。

男女で歩いてる人、集団で話してる人、必死に客呼びしてる人。

色んな人がいて。

みんな輝いてた。

自分の居場所があるっていいな。

少しだけ羨ましく思ってしまったりもして。

赤「………あ、」

大事なこと忘れてた。

神ちゃん、今日来るかもしれへんやん。

急いで片付けて違うベンチに移動する。

しばらくしたら、やっぱり神ちゃんは来た。

いつもの笑顔で。

もう今日のこと、忘れたんかな。

赤「……………消えたい」

無意識に声に出してた。

生きがいもなくて、生きる場所さえなくて。

俺ってなんで生きてるんやろ。

そんなことも考えてしまう。

立ち上がって周りを見渡す。

笑ってる人たちがみんな、俺のことをバカにしてるように見えて。

ここに来ても、また苦しくなる。

俺には居場所がない。

居場所が、無くなってしまった。

赤「……………もう限界や」

生きることに疲れてしまった。

荷物もそのままで、ゆっくり歩く。

あのビル、けっこう高いからいいかも。

呑気にそんなこと考えてたら、後ろから足音が聞こえて。

殺人犯とかかな。

それならちょうどいい。

そう思ってたら、後ろから腕がまわってきて。

誰かに包まれた。

黄「消えたいとか………そんなこと言わんでや」

まだ2回しか会ったことないのに、声だけで分かってしまう俺はなんなんやろ。

黄「………死んだら俺が許さへん……絶対許さへんから」

こんなやつに話してたまるか、ずっとそう思ってたのに。

思ってたはずやのに、俺が消えることを許さないって言ってくれて。

そんな人がいると思わなかったから、少し、いやすごく嬉しかった。

まだ生きててもいいんかなって思えた。

赤「…………っ」

涙が溢れてきて。

こいつの優しさがあたたかくて。

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作者名:・み・ | 作成日時:2019年9月29日 10時

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