大丈夫、俺がいる。［第2章］ (ページ6)

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重岡side

パッと目を開けてみれば、もう深夜1時をすぎてた。

寝始めたのは10時やのに、全然寝付けなくて

今日のあの人のことが頭から離れなくて

なんやろ、

単純に、かっこよかった。

すごくかっこよくて、優しい人やった。

まだ1回しか会ってへんのに、

今日、しかもたまたま、会っただけやのに、

頭から、彼の優しい笑顔が離れない。

"藤井、くん"

声にはならないけど、藤井くん、って名前を言っただけで、心の奥がじんわり温かくなって

布団を口元までもってきて、かくした。

スマホ、私に来てくれるんかな、

いつ？

明日かな、明後日かな、

そんな事考えてたら、もっと寝れなくなって

起き上がって、小さい電気をつける。

"今日は、たくさんお話した。

なんでか分からんけど、彼は僕のことを知りたがって、

やから、僕も色んなことを教えてあげた。

彼も、色んなことを教えてくれた。

たくさん話してたら、夜中の12時なってもうた。

明日も学校やから、はよ寝なあかんけど、

まだずっと話してたいな、ってこんなん思ったの初めて。

やから、たまに考えてしまうんや。

もし、僕に声があったら、って。

彼と言葉で話すことができるのに。

ごめんなさい

声がなくて、みんなと同じになれなくて

ごめんなさい。"