大丈夫、俺がいる。［第2章］ (ページ5)

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重岡side

日記を読み終えた時には、お昼の検査の時間になっていた。

急いでノートをしまって

スマホを持って病室を出ようとした時

前見てなかったから、扉開けた瞬間に誰かにぶつかってしまって

スマホが手から滑り落ちた。

「ご、めんなさい、！」

相手の方は倒れずに済んだけど、僕はバランス崩してもうて、

「大丈................」

スマホを取って僕も謝ろうとしたけど、

画面が割れてしまって

身体は強く打ったわけやないから、立ち上がって小さなメモ帳とシャーペンを取り出す。

赤『ごめんなさい』

文字を書いて彼に見せれば、彼は優しく笑って

「僕は大丈夫ですよ、ありがとうございます」

そう言って、僕の手からスマホを

「修理、出してきますね」

ぶんぶん首を横に振っても、僕がぶつかってしまったので、って

修理なんて、申し訳ないのに。

「重岡、くん、やんね、？」

病室の前に名前あって、

慌てて彼はそう言った。

赤「お名前なんて言うんですか？」

スマホを直してもらう、お礼をしたくて聞いたけど、

彼はなぜか、少しだけ、悲しそうに笑って

「藤井、流星、」

流れる星、で、流星さん、なんやって

素敵なお名前やね？

青「スマホ、また届けに来るから」

赤『ありがとう』

青「................んん、こっちこそ、ありがとう」

藤井くんは、そのまま歩いて行ってしまった。

トクン、と胸の奥が動いた気がして

後ろ姿が見えなくなるまで。

"藤井、くん"

またすぐに、会えるかな、。