大丈夫、俺がいる。［第2章］ (ページ12)

今日:25 hit、昨日:16 hit、合計:96,787 hit

12 ページ12

重岡side

"今日は僕の友達が遅刻してきた日。

夜遅くまでお話してたからかな、実は僕も寝坊しそうになったんやけどね？

寝癖ついたまま教室入ってきて、少しだけおかしかった。

笑ってもうたらね、頭ぐしゃって撫でられて

かっこよくて優しい彼にも、そんな一面あったんやなぁって、なんか嬉しくなってもうた。

でも、授業が始まって席に戻ると、

みんなの視線が僕に集まる。

苦しい言葉たくさん聞こえてきて

休み時間も、僕のところに来てくれるけど

周りの人はいい気せえへんのかな、僕を見て笑う人とか、きもい、って言われたりもした。

でも僕には言い返すための声がない

きもくないよ、って、僕も頑張ってるんやからそういうこと言わんで、って

言えないのが悔しくて、苦しくて

痛いんや。

心がずっと、痛くて苦しい。

でも彼は言ってくれる、

僕といたいから友達になったんやで、って

僕と友達なれて、幸せもんや、って。

たとえ嘘やとしても、その言葉が嬉しくて

僕といたい、僕のこと守りたい

そう言ってくれた。

その時、僕も思ったんや

僕も彼のことを守りたい、って。

弱虫で声が無くたって、彼のことを守りたい。

そう思った。

僕の、大切な大切な友達。

また明日、彼がおるから僕も生きようって思うよ。"

ノートを閉じれば、もう約束の時間。

1週間は長いようで短くて、ちょっぴり、長かった。

検査も無事に終わって、外出許可も出してもらえた。

スマホの充電もしっかりして、

濵ちゃんが用意してくれた洋服に着替える。

と、病室のドアが開いて

トクン、心臓が高鳴る。

青「おはよ」

小さく手を振ってみた。

そしたら、笑いながら振り返してくれて

青「オシャレさんなってるやん、めっちゃ似合ってる」

早速洋服褒めてもらえたから、あとで濵ちゃんにお礼言わなあかんね？

青「行こっか？」