不器用なふたり[２]

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桃「今…………誰のこと考えてますか？」

重岡くん、やろ？

淳太さん、重岡くんのこと大好きやもん。

重岡くんも、淳太さんのこと大好きなんやから。

言いたくない。

できることならずっと淳太さんのそばにいたい。

可愛い姿もすぐ照れてしまう姿も、全部一人占めしていたい、

でも、そんな権利俺にはないんや。

俺は、好きにさせることができなかった。

重岡くんに、勝てなかった。

やったら、自分から身をひくしかないやろ？

桃「………別れましょ」

自分でもびっくりするくらい声が震えて。

それに気づいたのか、離れた淳太さんと目が合う。

黄「のんちゃん……」

桃「やめて……名前呼ばんでや………」

名前呼ばれただけで好きって気持ちが溢れてしまうんやから。

こんなにも、大好きなんやから。

桃「早く………重岡くん待ってる」

淳太さんの背中を押して。

黄「………ごめん」

謝るのは俺の方やのに、最後まで淳太さんは優しかった。

黄「でも………ありがとう、今まで」

感謝されるようなことしてないのに。

我慢してた涙はもう溢れて。

見られないように淳太さんを玄関まで送る。

桃「……行ってあげてください」

ゆっくり振り返った淳太さんに泣いてるとこ見られて。

それでも、無理してでも笑うんや。

桃「淳太さんの可愛いとこ、重岡くんにも見せてあげてくださいね」

黄「………ありがとう、のんちゃん」

桃「こちらこそ………ありがとうございました、淳太さん」

玄関の鍵を開けて、淳太さんはいってしまった。

桃「………っ」

大好き。

ほんまに大好き、でした。

少しやけど、淳太さんといられて幸せやった。

今度は俺が応援するから。

絶対、幸せになってください。

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