こたしげ物語３

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桃「早く」

赤「ま、ってや、」

さっきからずっと待ってるんやけど。

桃「名前知っとるやろ？」

赤「知っとる、けど、………」

桃「はよしてや。撮影始まるで？」

めっちゃ焦らすやん。

俺まで緊張伝わるし。

赤「……え、っと………」

顔をあげたしげの目は上目遣いで

赤「…………、む、」

桃「全然聞こえない」

赤「……………の、ぞむ、」

抱きついて、胸に顔を埋めてきた。

心臓の音、伝わってないとええけど。

桃「ん、戻ってええよ」

そう言ったのに、動こうとしないしげ。

俺の服をつかんだまま

赤「…………小瀧もやで、」

桃「は？」

赤「小瀧も、…………名前で呼ばなあかんの、」

…………そう来たか

いやいやいや、言うてる場合やなくて。

桃「なんで俺？」

赤「やってずるいもん、」

桃「いやおかしいやん」

赤「うるさい、はよ言って、」

いつになく強気なしげ。

形勢逆転、ってか。

赤「ちゃんと目見なあかんの、」

桃「は？」

赤「あとぎゅーもするの、」

桃「待てって、条件増えとるし」

赤「知らんもん、早く、」

嘘やん、予想外すぎんねんけど。

自分から言っときながら、名前呼ぶの結構恥ずかしい。

桃「さ、撮影あるしさ、あとで、」

赤「だめ、」

もう、どないしよ。

こんなん呼ぶしかないやつやん。

あー、あんなこと言わなきゃ良かった。

でもしげは呼んでくれたし、

これでこいつがもっと好きになってくれるなら

しげの言った通りちゃんと目をみて、

ぎゅーして、

桃「………だ、…………大毅」

赤「全然聞こえない、」

桃「聞こえとるやろが、」

赤「聞こえない、なんも聞こえない、」

桃「……………大毅………聞こえたやろアホ」

恥ずかしい。

もうどっかに隠れたい。

絶対今顔赤いし。

楽屋もどれへんわ。

桃「ごめんな、台本覚えてきてええから」

離したのに、また抱きついてきて

赤「………やっぱりお家で覚える、」

桃「いやええって、はよ戻りや」

赤「ちゃうの、……………もっと小瀧といたい、」

って、奇遇やな

俺も同じこと思ってたわ。

でも、

緑「こんなとこおったん！って………お前らなにしてん！撮影始まるから！」

橙「うわ〜リア充や〜！」

このあとメンバーに散々冷やかされたのは、言うまでもないこと。



Fin.

風邪薬<小瀧　(リクエスト)→←リア充？(リクエスト)

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