こたしげ物語３

大切なひと。(リクエスト) ページ20

小瀧side

病室の前、壁に並べられてる椅子に座って

黄「のんちゃんのせいやないからな」

紫「せやで」

桃「………ごめん」

そう励ましてくれるけど、

俺はその場から離れて、病院の外に出た。


今日はメンバー全員での仕事で、いつも通りしげとおったけど、

今日はいつもより早く撮影が終わって

俺んちに来たいってしげのわがままを受け入れた。

この前看病してくれたお礼もかねて。

俺もそれなりに、あいつといれるのが嬉しかったからかな

後ろから車来とんのに気づかなくて

急に背中押されたと思ったら、しげが俺を庇ってくれてた。

そこまでしか覚えてへん。

どうやって病院に来たのかも分からない。

ただ、しげが目を覚まさないってことだけは、さっき病院の人から聞かされた。

命には別状はない、でも、

回復にどれだけ時間がかかるか分からない、って。

あり得へん、

俺が守るって決めとったのに。

あの時の自分が憎くて仕方ない。

緑「のんちゃん、」

いつの間にか流れてた涙を乱暴にぬぐった。

緑「………あんまり、責任感じたらあかんで」

桃「ん、ごめんな」

緑「なんで、謝ることやないやろ」

桃「………ごめん」

謝ることしか、できひんねん。

緑「流星と濱ちゃんは今日残るって、のんちゃんどうする、？」

桃「ごめん…………二人にさせてほしい」

きっと流星も濱ちゃんもしげが心配で、

他のメンバーやって明日朝早いのに来てくれて

緑「分かった、二人に伝えとくな」

桃「ん、」

今は、しげと二人だけでいたい。

あいつが目を覚ましたとき、一番に俺が抱きしめたいから。

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