空間の時間*業side ページ27
数学テスト最終問題
生徒の半数はここまですら来れなかった
残り半数もほとんどが時間ギリギリ
最後まで解ける余力は既に無い
残り時間で満点を出せる可能性を残していたのは…
「…(ま、多分俺と浅野君だろうねぇ)」
渚君が昔からよく言ってたっけ
ー“同じ人間なのにどーしてここまで差がつくんだろ…
やっぱ。カルマ君は才能が違うよ”ー
…よくゆーよ。俺から言わせりゃ本物の天才はどっちだって話
俺は最後の問題の文章を読みながら、昔渚君に言われた言葉と今の渚君の姿を思い浮かべて苦笑した
要するに、人間は皆…他人の“見えない”部分を才能と呼ぶんだ
(人1)みたく、1度決めた事を貫いて周りに流されない奴
杉野みたく、あっさり人の輪に入って行ける奴
奥田さんみたく、好きな事にはバカみたいに没頭できる奴
寺坂みたく、何にも考えないで動ける奴
…どれも俺から見りゃ才能だ
どんな奴にも、俺には見えない才能の領域があって…そういう意味じゃ皆同じだ
「…(で、問題は……俺の才能でこの問題が見えるか、だけど
……………やっべ、これ絶対時間足りなくね？)」
時計の針をチラリと見て、俺は一人焦っていた
…堂々と一位宣言しといて、最後の最後に「解けきれませんでした」なんてかっこ悪い姿見せれるわけないし…
俺は、もう一度出題者の意図を読み取るために問題文を読み直した
原子がつくる…結晶構造…
「…！」
…待てよ
これ、難しい計算なんにも要らなくね？
この狭いひとつの立方体で区切っていたけど、“原子がつくる結晶”ってことは、この外にも同じ構造があるって事になる…
つまり、世界はこの箱だけで終わりじゃない…
そして、俺から見れば皆が自分の才能を…領域を持っている
それは皆も同じ…
俺が箱の中から見ていたのは皆の欠片にすぎないんだ
まるでピースのように、否…皆と過ごしてきた経験が俺をこの問題の答えへと導いていく
俺が目いっぱい自分の領域を主張したら、他の皆も同じように主張する
箱の中では1対1だから、俺が主張できる体積は立方体の半分まで…！
…ああ、なぁんだ…… 小学生でも分かるじゃん
俺はフッと笑みを浮かべて、解答用紙に答えを書いた
答えを書いた瞬間、俺の耳に最後のチャイムが聞こえる
こうして、A組とE組最後の勝負が終わった
2019.4/9
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くる子 - 続き楽しみにしています！頑張って下さい (2019年10月9日 16時) (
レス) id: a7b97770d9 (このIDを非表示/違反報告)
kiri(プロフ) - はああああああ？！なんてこと！！！素敵すぎやしませんかい？！好きです！！！←語彙力 (2019年6月8日 14時) (レス) id: 0dfe216fbd (このIDを非表示/違反報告)
チェリーパイ(プロフ) - さくやさん» 一番好き！？身に余るお言葉です！！！ありがとうございます！！これからもよろしくお願いしますです！！^^ (2019年4月10日 9時) (レス) id: 76f7a24a57 (このIDを非表示/違反報告)
さくや(プロフ) - 暗殺教室の小説のなかで、1番好きな小説だったので、更新してもらえて、すっごく嬉しいです！ (2019年4月9日 20時) (レス) id: 981eabd38b (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 本当面白くて面白くて！これからも更新頑張ってください (2019年1月2日 12時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェリーパイ | 作成日時：2017年12月17日 15時
