【妖怪ウォッチ】陽・桜色のあの子

最終回「ここにいるよ」 ページ26

数日後。





小学校からの帰り道、私はおつかい横丁のフラワーロードで買い物をしていた。





買い忘れはないかな？
玉子、玉ねぎ……今夜はオムライスだ。




おやつは何にしよう？




「Aちゃんの新しい部屋!?
見たい！絶対行きたい!!!」





っていうふぶき姫ちゃんの要望で、新しい私の部屋で女子会をひらくことになったから、そのときのためにお菓子を買っておかないと。





……そういえば少し前に、「引っ越したら、ここにくることもなくなっちゃう」なんて思っていたけど、




よくよく考えてみれば、同じさくらニュータウンだし、そこまで遠くないし、心配する必要はなかった。




またいつでもこれる。
ここにも、和菓子屋さんにも。





「あっ、ケータ君！」




付け合わせ用に野菜を買って八百屋さんを出ると、いつもの３人がそこにいるのを見つけた。




「あ、A先生」



「Aさんお疲れさまでウィス！」



「ニャン！」



「こんにちは。おつかい？」



「いや……おこづかい入ったから、新しいマンガを買いに行こうと思って」



確かに、ケータ君は今まさに、どっこい書店から出てきたところだ。



片手にビニール袋を提げてるから、無事に目当てのマンガは買えたらしい。



「そっか」



「うん。……ねえ先生、せっかくだし、途中まで一緒に帰らない？」



「うん、いいよ」



フラワーロードを出て、ケータ君、ウィスパーさん、ジバニャンと他愛ない話をしながら歩いた。




……３人とも、私がこの街からいなくなってしまうって、ずっと誤解してたんだよね。３人だけじゃなくて、小学校のみんなも。




心配かけちゃったな。




今回のことはみんなのただの誤解だったし、私はいなくならないけど、



でも、それでも、お別れの時は、
いつかきっとやってくる。



だけど、私とみんなとの平和な生活は、まだまだこれからもこの街で続いていきそうだ。




「ふふっ……」



「A先生？どうしたの？」



「ううん、なんでもない。
ねえ、みんな……

　
　

　

　


　
これからも、よろしくね！」

　





♡◦桜色のあの子◦♡





fin.

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