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そして…
「よし…できた!」
その日、休日の半分を費やして、
ついに贈り物の手袋を完成させた。
やっぱり私は不器用だから、
お店で売っているような綺麗なものは作れなかったけど、
代わりにたくさん気持ちを込めたのだ。
それに、私一人だけじゃなくて、妖怪の女の子とみんなで協力して編んだものだから、
きっと、どんな高級な手袋よりも価値がある。
喜んでくれますように…。
毛糸を片付けて、ラッピングに取りかかろうとしたところで、インターホンが鳴った。
こんなお昼に…?誰だろう。
玄関へ行ってドアを開けると、
そこには椿姫ちゃんが立って…いや、浮いていた。
「こんにちはAさん♡
…今、よろしいですか?」
「うん、いいけど…。あ、待って、すぐに部屋片付けて、お茶の用意…」
私が部屋に引き返そうとすると、
椿姫ちゃんはそんな私を制止してこう言った。
「いえ、お構いなく。すぐに済むお話ですので…」
「あ、そうなの?」
よく見ると椿姫ちゃんは、何かが入った紙袋を持っていた。
「Aさん、お作りになっていた手袋は、実家の近所に住む女の子への贈り物なんですのよね?
でしたら、せっかくですし、私たち妖怪からも、何かプレゼントできないかと思いまして…」
話しながら椿姫ちゃんは、紙袋を私に差し出した。
「みんなで少しずつお金を出し合って買ったんです。…良かったら、
これも、その女の子にプレゼントしてあげて下さい」
椿姫ちゃんから紙袋を受け取って、中身を見てみる。
中には、
保存がききそうなちょっとしたお菓子や、
鉛筆などの文房具、小物入れになりそうな紫色の巾着袋、ピンクのマニキュアなんかも入っていた。
…マニキュアはまだちょっと早い気もするけど…まあいいや。女の子だもんね!
「わあ…ありがとう!きっと喜んでくれるよ!」
「ウフフ♡では、私はもう帰らないといけないので…」
「そっか…わざわざありがとう。
また何かごちそうするね?」
「はい!楽しみにしています♡」
椿姫ちゃんが帰っていき、私は部屋へ戻って、紙袋の中身を出す。
やっぱり妖怪といえども女の子だからか、
みんな、最近の女の子が好むようなものをよくわかってる感じがする。
紙袋からのわずかな椿の香りを嗅ぎながら、
ラッピングの作業を終えて、
「これは私の友だちの女の子たちからだよ。
学校がんばってね!」
というメッセージカードを添えた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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海葉(プロフ) - 明石美音子さん» あっスミマセン、レスボタン押すの忘れてました(-.-;) (2017年12月3日 11時) (携帯から) (レス) id: f36489ca03 (このIDを非表示/違反報告)
海葉(プロフ) - ハッ!(゜ロ゜)使用済みという考え方がありましたか!そうかもしれませんねぇ(笑)大将組はもちろん、皆さん変だったので、ツッコミ役三人組に期待してしまいましたよ(笑) (2017年12月3日 11時) (携帯から) (レス) id: f36489ca03 (このIDを非表示/違反報告)
明石美音子 - 海葉さん» ありがとうございまーす!そうだったんですか!?嬉しいです!大将さんたち登場しましたね!もういろいろ面白くてずっと笑ってました(笑)オロチさんがマフラー龍の頭にまでブリーフ被せてたのが印象的でした(笑)あれは新品なのか、それとも彼の使用済みなのか…。 (2017年12月3日 0時) (レス) id: e8c22bb6a4 (このIDを非表示/違反報告)
海葉(プロフ) - 続編おめでとうございまーす!私はよく宗像ちゃんを思い出して頑張っている人の一人です、いつもありがとうございます…!ああ、そういえば大将組、先週出てきましたよね!どうでした?(私はオロチさんのブリーフの身につけ方が好きですね(笑)) (2017年12月2日 20時) (レス) id: c9a6b087d8 (このIDを非表示/違反報告)
明石美音子 - ユカ松♪さん» どういたしまして!ありがとうございます!お気に召されたなら良かったです! (2017年11月22日 22時) (レス) id: e8c22bb6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:明石美音子 | 作成日時:2017年10月9日 21時