【妖怪ウォッチ】心・桜色のあの子

★ ページ31

「ケータきゅーん…あまりいろんな女性に可愛い可愛い言ってると、遊び人だとか、軽い男だって誤解を招きますよ！」



「いや、何の話してんの…」




まだそんなことを話しているケータ君たち。





その様子をしばらく見つめていたナルシス２世さんは、しびれを切らしたのか、こう叫んだ。





「おい！だから僕をのけものにするなと言っているだろう!!!」



「でもまあ私は？ケータきゅんのそういう素直なところ、結構好きでウィスよ？」



「え、何、急に…キモいんですけど…」



「キモいニャン…」


ガン無視しているのか、それとも本当に彼の存在を忘れているのか、まだケータ君たちの話は止まりそうにない。




「オィィィ!!僕をのけものにするな！



こっちを見ろ！このブサイク共ー!!」




「あの妖怪のだらしなさを示す事例は枚挙に遑がないですからねー」



「へえー」




いつの間にか全く別の話が始まったらしい。




私はというと、空からブチ切れているナルシス２世さんと、その下で世間話を繰り広げるケータ君たちを交互に見ていた。




なんか、この光景…





面白いかも…。





「ふふっ…」




「!?」


「先生？」



「ふっ…ふふふふっ…あははは！」



だ、だめだ。笑いのツボに入ってしまった。



一人でお腹を抱えて笑い続ける私を、ケータ君たちはポカンとして見ている。



一方ナルシス２世さんはというと…。




「なっ…か、可愛い…だと!!?」



へなへなと降りてきて、そのまま地面に手をついた。




「はは…あ、え？だ、大丈夫ですか!?」




具合が悪くなったのかな？そう思うと心配になって、ナルシス２世さんのもとへ駆け寄った。




「僕より可愛い人間なんて…なんて…」




顔を上げた彼はなぜか悔しそうな顔をしている。




よくわからないけど…。




「あの…ナルシス２世さん。



あなたみたいな、自分に自信がある人、私は尊敬します」



「!?」




「私、自分に自信が持てないときがあって…。


でもナルシス２世さんは、本当に、心の底から、自分のことを好きでいる感じで…うらやましいな」



「……」



「『自分が一番だ』って言い切れるなんて、

すごくかっこいいことですよ！」


「!!」



なぜか落ち込んでいる風だった彼を慰めようとして、いつの間にか本心をベラベラしゃべっていた私。




そんな私の顔を彼はじっと見つめたまま動かない。

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ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

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