☆ ページ19
次の日
朝、私は布団から半身を起こし、咳き込みながら電話をかけていた。
「本当にすみません…」
「大丈夫ですよ。A先生も、たまにはゆっくり休んで下さい」
「すみません…」
「いえ…では、お大事に」
目が覚めると、昨日よりも体が重かった。
熱を計ってみると、とても学校に行けるような体温ではなかったため、
学校に電話をかけ、担任の先生に休むことを伝えると、快く承諾してもらえた。
電話を切ると、私は布団に横たわり、毛布と布団を肩までかけた。
咳と痰、そして鼻づまりは昨日よりもひどくなっている。
ぼーっとする頭の中で、こんなことを考えていた。
一人暮らしを始めてから風邪ひいたことなんてなかったけど、
いざひいてみると、なんだか心細いというか…人肌さみしい。
朝のラジオが列車の運行状況を伝える。
おとなしく寝ていようと思ってラジオを切ると、部屋は途端に静まり返る。
平日の朝ってこんなに静かだったんだ…。
寝ようと思って目を閉じても、なぜかなかなか寝付けない。
寝返りを打ち、窓の方を見た私の視線の先を、窓の外のスズメか何かが飛び去っていく。
そういえば…まだ朝ご飯食べてないな。
私は布団からむくりと起きあがると、冷蔵庫の方を眺めながら、考える。
朝ご飯、何がいいかな。あまり食欲ないし、作る体力もないし、食べなくてもいいかな……。
いや、少しは栄養をとった方がいいかもしれない。薬も飲まないといけないし……。
とにかく何か食べようと思って、立ち上がり、台所へ足を踏み出した。
風邪をひいたときに自分で食事を作ったことのない私には、こんなときに何を食べるのがいいのか分からなかった。
考えるのが面倒くさくなって、窓を開け、ベランダに出る。
ベランダからは商店街が見えた。その近くにあの和菓子屋さんも見えて、店先ではおじいちゃんおばあちゃんが立ち話をしている。
一人暮らしを始めてから風邪をひいたことのない私にとって、一人で一日部屋で過ごすというのは、ある意味教師の仕事と同じくらい難しいことでもあった。
どうしよう……と頭を悩ませているうちにめまいがしてきて、結局何もせずに布団に戻ってしまった。
いつもなら、学校で、生徒のみんなとお話したり、職員室の先生たちと世間話している時間だ。
「はあ……げほっ、ごほっ……」
ひどく苦しそうな咳をすると、
もう寝ようと自己完結して、
静かな部屋で目を閉じた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海葉(プロフ) - 明石美音子さん» あっスミマセン、レスボタン押すの忘れてました(-.-;) (2017年12月3日 11時) (携帯から) (レス) id: f36489ca03 (このIDを非表示/違反報告)
海葉(プロフ) - ハッ!(゜ロ゜)使用済みという考え方がありましたか!そうかもしれませんねぇ(笑)大将組はもちろん、皆さん変だったので、ツッコミ役三人組に期待してしまいましたよ(笑) (2017年12月3日 11時) (携帯から) (レス) id: f36489ca03 (このIDを非表示/違反報告)
明石美音子 - 海葉さん» ありがとうございまーす!そうだったんですか!?嬉しいです!大将さんたち登場しましたね!もういろいろ面白くてずっと笑ってました(笑)オロチさんがマフラー龍の頭にまでブリーフ被せてたのが印象的でした(笑)あれは新品なのか、それとも彼の使用済みなのか…。 (2017年12月3日 0時) (レス) id: e8c22bb6a4 (このIDを非表示/違反報告)
海葉(プロフ) - 続編おめでとうございまーす!私はよく宗像ちゃんを思い出して頑張っている人の一人です、いつもありがとうございます…!ああ、そういえば大将組、先週出てきましたよね!どうでした?(私はオロチさんのブリーフの身につけ方が好きですね(笑)) (2017年12月2日 20時) (レス) id: c9a6b087d8 (このIDを非表示/違反報告)
明石美音子 - ユカ松♪さん» どういたしまして!ありがとうございます!お気に召されたなら良かったです! (2017年11月22日 22時) (レス) id: e8c22bb6a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:明石美音子 | 作成日時:2017年10月9日 21時