【妖怪ウォッチ】心・桜色のあの子

かぜっぴき ページ17

朝。だいぶ冷え込むけれど、日が当たって暖かい窓際で、イナホちゃんと話している。




「じゃあ、二人はちゃんと仲直りできたんだね？」



「えへへ…おかげさまで」




安堵する私を見て、イナホちゃんは照れくさそうに頭をかいた。




その隣でUSAピョンさんが、何でもなさそうな顔をしてさらりと言う。




「別にミーが仲直りしたかったわけじゃないダニよ？イナホが寂しがってると思って、仕方なく帰ってあげたんダニ」




「ちょっと何それUSAピョン!!?」




朝から学校の廊下でもめ出す二人を見て、思わずクスッと笑ってしまう。




…イナホちゃんは知らないだろうけど、私、あのあと家に帰るまでの間に、USAピョンさんに会ってたんだよ？




雨がポツポツと降る中、慌てたようにUSAピョンさんが、傘を持って走っていた。



「あれ？USAピョンさん？」



「ハッ！ユーはあのときの！
イナホを、イナホを見てないダニか!?」




「い、イナホちゃん？」




「イナホ、友だちと遊ぶって言って、傘も持たずに家を出て行ったんダニ！



もしかしたらどこかでずぶ濡れになってるかもしれないダニ！」




「……！




大丈夫だよ、USAピョンさん。あのね…」




そのあと、イナホちゃんを無事に家まで送ったことを伝えると、心底安心したような顔になって、




私が、「帰って仲直りしたら？」と促したのだった。




そして今に至る。




「ところで、ケンカの原因はなんだったの？」



「あーそれは…」




一番気になっていたことをイナホちゃんにきくと、少し恥ずかしそうにもじもじしている。




なかなか教えてくれないイナホちゃんの代わりにUSAピョンさんが口を開いた。



「イナホが、ミーが大事に大事にとっておいた、『宇宙ドーナツ』を勝手に食べたんダニ！」



「ドーナツ？」



「もう！別にいいじゃん！ドーナツ一個くらい！」



「良くないダニ！あれはミーが、おやつに食べるのを楽しみにとっておいたんダニ！」




「あはは…」



原因は何であれ、無事に仲直りできたみたいで何より。




二人のやりとりに笑いをこらえていると、チャイムが鳴り響いた。




「あ、教室戻らなきゃ！またねA先生！」



「テメー！おいてくなダニー！」




「またねー」




さて、私も教室に行かないと。

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ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

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