参 ページ45
『ロボロってこんなに足速かったっけ！？50メートル走とか私のほうがタイム上だよね！！？』
ロ「人狼の力舐めんなや！あんなん人間相手に手加減してたに決まっとるやろ！」
ロボロのに腕を引かれ、住宅街を走る。
いつもなら真後ろまで迫ってくる影の姿も、今日はだいぶ後ろの方に見えた。
ロ「あと少しやで！」
二人で石段を駆け上がり、鳥居の下を潜る。
シ「Aッ！……っておいコラ！！」
ゾ「ヒェハハハハハッ！！」
独特な笑い声と共に、鳥居の下を潜ろうとした影が一瞬で切り刻まれる。
ロ「待てやゾム！俺の分も残しとけや！！」
ロボロは私の手を離し、狼の耳と尻尾を出して影の元に駆け寄る。
代わりに隣にきたシャオロンと共に、苦笑いを浮かべながらその光景を見つめた。
『あはは……なんか、私達の仕事だいぶ減ったよね』
シ「だいぶやなくて、ほとんどやろ」
『でもこれで二人もお腹一杯食べられるし、影も倒せるしで一石二鳥じゃない？』
あの日、ロボロとゾムは私の手を取った。
それから二人は黄魄神社の狛狼として、立派すぎる働きをしてくれている。
学校での影は基本ロボロが倒してくれるし、神社に来ればこの通り。
最近では影を引き寄せるこの体質も、全く気にならなくなってきた。
突然、ガバッと後ろから大きな腕が回ってくる。
ゾ「ごちそうさん。なぁA、俺今日も仕事したで？褒めてぇや？」
『お粗末さま、ゾム。でも、褒めるって……？』
いつの間にか人間の姿に戻ったゾムは、後ろから私を抱き締めたままぐりぐりと背中に頭を擦り付けてくる。
シ「おま、それ俺のポジションやで！！」
ゾ「今回シャオロンは何もやってないやろ」
シ「お前らのせいやろ！いいから、Aから離れろや！！」
ゾ「んふふ」
ゾムは素早く私を横抱きにすると、ご神木の枝へと飛び上がる。
ゾ「悔しかったら取り返してみぃや？」
シ「この……ッ！！」
同じように飛び上がってくるシャオロン。
シャオロンの腕の中に引っ張られたかと思えば、すぐさまゾムが奪い返す。
それが繰り返され、私の視界はジェットコースターのようにぐるんぐるんと回転する。
ロ「お前ら、Aが酔わん程度にな〜」
『待って、吐きそう……』
ロ「あかんやんけ！！」
そう言ってロボロも二人の奪い合いに参加する。
境内に響く笑い声。
＿＿劣等巫女。
この平和の日々を守るために、今日も頑張ります！
end
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 258人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シリウス(プロフ) - フェノさん» コメントありがとうございます！そう言っていただける作品を書ききることができ、嬉しいです！ここまで本当にありがとうございました！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
フェノ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした！とても面白くて、毎回の更新が待ち遠しくなるほど大好きでした！！番外編も、無理しない程度にがんばってください！！これからも応援してます！ (2019年10月9日 22時) (レス) id: dddb82ec89 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 鈴蓮さん» コメントありがとうございます！ここまで本当にありがとうございました……！！ (2019年10月9日 16時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます……！ (2019年10月9日 7時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 千12さん» プロ結果！！((殴 すみません調子乗りました← コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年9月28日 17時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
