肆 ページ36
ひとらんはスヤスヤと規則正しい寝息をたてるロボロを抱き上げ、オスマンの背に乗せる。
オ「Aちゃん、シャオロンは？」
『上の階。ゾムさんっていう人狼と戦ってると思う。それで、えっと……貴方は？』
私はお坊さんの格好をした男性に視線を向け、首を傾げる。
すると男性は、礼儀正しく深々と頭を下げた。
ｼｮ「色々あって名乗り遅れましたね。粛清山登呂月寺の住職、ショッピっす」
ひ「彼が俺達を呼びに来てくれたんだよ」
『そうなの？あ、ありがとうございます！』
ｼｮ「別にいいっすよ、お礼なんて。
……それに、まだ終わってないんですから」
ショッピはそう告げると、天井を見上げる。
上の階から伝わってくる大きな振動。
音だけでも分かる、人間離れした戦い。
シ「行きましょう。ゾムさんを、助けるんでしょう？」
『……うん』
私は深く頷いて、先程駆け降りてきた階段に足をかけた。
階段を登りながら、どうやってゾムさんとの戦いを終わらせるか考える。
ゾムさんから影を引き離すのは、またらんらんにまかせるとして……
ロボロを蝕んでいた影は、かなりの量があった。
そんなロボロをずっと守ってきたゾムさんは、いったいどれだけの影を抱えてるんだろう？
私が倒せる程度の量だといいんだけど……。
それに、影を倒して終わりじゃない。
ロボロとゾムさんの、【これから】のことも考えなきゃ……！
シャオロンside
ゾ「こんなもんなん？龍神様って言っても大したことないんやなぁ！！」
シ「はっ！これが本気やと思ったら、大間違いやで！！」
廃墟の中で激しくぶつかり合う、龍と狼。
時々チラリと見える黒い影に、シャオロンは目を細める。
……下から此方に近づいてくる複数の力の気配。
どうやらAの方は終わったみたいやな。
ゾ「お前神様なんやろ？なら、神様としても思わへんの？この世界の人間も妖怪も、全員腐った奴ばっかやって！！」
顔のすぐ横をゾムの鋭い爪が掠れる。
シ「そりゃ、誰もが真っ白な心を持つ奴ばかりやないやろ。俺やって気にくわへん奴もおるわ。でもこの世界には、例え少数でもまだ腐っとらん奴もおる。そいつらを無差別に攻撃するのが気にいらんって言っとんねん！！
ギャーギャー自分達の悲劇を喚いとらんで、もう一度この世界を見渡してみたらどうや？まぁそんな真っ黒な瞳じゃ、醜く濁って正確に見れへんと思うけどな！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 258人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シリウス(プロフ) - フェノさん» コメントありがとうございます！そう言っていただける作品を書ききることができ、嬉しいです！ここまで本当にありがとうございました！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
フェノ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした！とても面白くて、毎回の更新が待ち遠しくなるほど大好きでした！！番外編も、無理しない程度にがんばってください！！これからも応援してます！ (2019年10月9日 22時) (レス) id: dddb82ec89 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 鈴蓮さん» コメントありがとうございます！ここまで本当にありがとうございました……！！ (2019年10月9日 16時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます……！ (2019年10月9日 7時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 千12さん» プロ結果！！((殴 すみません調子乗りました← コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年9月28日 17時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
