参 ページ35
ロ「……離、せや」
ロボロは私の肩を両手で掴み、爪を立てる。
彼は相当弱っているのか、肉が避けるような痛みは来ず、軽くつねられたような小さな痛みが走った。
私はそんなロボロを離すまいと、さらに抱き締めている腕に力を入れる。
『……ロボロには、辛いことを言うけどさ。
いくら周りの人間を消したって、私達本人が【劣等生】であることには変わりないよ』
ロ「ッ！」
ギリッと、耳元で歯を食い縛る音が聞こえる。
多少ではあるが、肩に食い込む爪の力が強くなった気がした。
『でもさ。そんな私達にも、大切な人がいる。守りたい人がいる。その人達を犠牲にしてまで、【劣等生】をやめたいと思えないよ。
ロボロにとっては……そうだな。ゾムさんを消してまで、自分のレッテルを剥がしたいと思う？』
ロ「……ッ、人間のお前に、何がわかんねん！！」
『わかんないよ。でも誰かを守りたいって思いに、種族は関係ないと思うの。ゾムさんから2人の話を聞いて、尚更その思いが強くなった。
……それにね、ロボロ』
『私にとっては、ロボロも大切な守りたい人だよ』
ロ「……ッ！！」
『私はロボロも、ロボロの大切な人であるゾムさんも、この町から追い出そうとも思わない』
ロ「嘘、やッ！！」
『嘘じゃない。本当だよ。
＿＿だから、戦う必要なんてないんだよ』
ゆっくりと、肩に食い込んでいた爪が離れる。
ロ「ホンマ、優しいなAは。優しくて、いつも真っ直ぐで、眩しくて……同じ【劣等生】のはずやのに、なんでこうも違うんやろ」
『それは多分、影のせいだよ。今までロボロは影に取りつかれて、悪い夢を見ていただけ。ロボロは何も悪くないよ。
……疲れたなら、ゆっくり休んでていいよ。後は私が全部終わらせる。ロボロが目を覚ましたとき、悪夢が全部終わってるように』
私がそう言うと、ロボロは小さな声でぼそりと呟く。
ロ「……ゾムのこと、頼んでもええ？」
『うん。それが私の友達の、ロボロの願いなら』
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シリウス(プロフ) - フェノさん» コメントありがとうございます！そう言っていただける作品を書ききることができ、嬉しいです！ここまで本当にありがとうございました！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
フェノ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした！とても面白くて、毎回の更新が待ち遠しくなるほど大好きでした！！番外編も、無理しない程度にがんばってください！！これからも応援してます！ (2019年10月9日 22時) (レス) id: dddb82ec89 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 鈴蓮さん» コメントありがとうございます！ここまで本当にありがとうございました……！！ (2019年10月9日 16時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます……！ (2019年10月9日 7時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 千12さん» プロ結果！！((殴 すみません調子乗りました← コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年9月28日 17時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
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