検索窓
今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:75,243 hit

劣るモノ ページ27

路地裏の行き止まりとなった塀の前で、肩を上下させて呼吸を整える。


振り返ってみるが、そこにはもう影の姿はなかった。


『……ねぇ、ロボロくん。もしかしてロボロくんさ、霊感とかある人?』


ロ「……まぁ、な。Aと同じように、俺も人間に見えへんものは大体見えるんや」


ロボロは大先生みたいなその日だけ見えるようになる人じゃなくて、私みたいにもともと見えちゃう体質ってことか。


頭の中でそう整理し、ロボロくんの方を向いてお礼を言おうとしたとき。





『……え?ロボロ、【人間に】ってどういうこと?』


改めて考えてみると違和感のある言葉。


まるで自分は人間じゃないような……。


呼吸を整えたロボロはゆっくりと顔を上げる。



『……ッ!?』


背筋が凍りつくほど、ロボロの雑面から覗く瞳は冷たかった。


『ロボ……』


ロ「なぁA。巫女の生活しとって、疲れとらん?」


『え……?』


ロ「疲れるやろ。毎日毎日影もそれ以外も倒して、誰も信じてもらえへんし、感謝もされへん。


ずーっと【劣等生】やってて、疲れへん?」


『ッ!?』



何故私が巫女をやっていることを、ロボロが知っているのか。


そんなことは気にもならなかった。


ロボロ……?


『な、何言って……』


ロ「本当は辛いやろ?苦しいんやろ?俺はその気持ち、ようわかるで」


『……ッ!勝手なこと言わないで!私は自分から巫女の役目を引き受けたの!私は辛くも苦しくもないんだから!!』


哀れむような言葉を向けらるのが嫌で、私はそう言い切る。


けれどロボロの口は止まらない。


ロ「そう思い込んどるだけやろ。そうやないと、巫女の仕事を続けられへんから」


『やめてってば!ロボロに何がわかるの!?』


ロ「わかるで」





ロ「……だって、俺も【劣等生】やもん」



突然、首裏に強い衝撃。



『ロボ、ロ……?』


視界の隅に黄緑色を捉えた次の瞬間、私の視界はブラックアウトした。

弐→←捌



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
259人がお気に入り
設定タグ:実況者 , wrwrd , 人外パロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シリウス(プロフ) - フェノさん» コメントありがとうございます!そう言っていただける作品を書ききることができ、嬉しいです!ここまで本当にありがとうございました! (2019年10月12日 17時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
フェノ(プロフ) - 完結おめでとうございます!そしてお疲れ様でした!とても面白くて、毎回の更新が待ち遠しくなるほど大好きでした!!番外編も、無理しない程度にがんばってください!!これからも応援してます! (2019年10月9日 22時) (レス) id: dddb82ec89 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 鈴蓮さん» コメントありがとうございます!ここまで本当にありがとうございました……!! (2019年10月9日 16時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます……! (2019年10月9日 7時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 千12さん» プロ結果!!((殴 すみません調子乗りました← コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2019年9月28日 17時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シリウス | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年8月28日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。