ぼくらが君にしてあげられること/3 ページ21
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Aはいつも台風の目だった。賛否両論が渦巻いていたし、俺たちの中の数人はきっとこんな不確かなグループでのデビューを不安に思ったり、怒りを感じたりしただろう。Aも俺たちも被害者だった。
けれど今はどうだろう。皆が君を慕って、皆が君というギフトに感謝している。
Aが全部変えたんだ、これは君が起こした奇跡なんだ。
足りない筋肉量を補うため、少食にしていたのを無理矢理胃に流し込んで、男のダンスを踊るための身体に。低いレンジも踊りながら歌えるようにデビューを果たしてからも練習室に籠りきりだった。バケーションのみ渡韓していた俺と違って、Aはずっと寮で生活しながら練習生をしていたからきっと生活もたくさんの苦労が伴ったはずだ。
Aを俺たちが愛して、尊敬するのはこの子がたった一人の女の子だからではない。この子の笑顔の裏に隠された血の滲むような努力を、並の人は三日で悲鳴を上げる努力を俺たちは知ってしまったから。
その神様に愛されたような才能を、よりによって、俺たちのグループに捧げてくれたAに俺たちがしてあげられることは、せめてAが暗闇のなかで迷った時に光の方へ手を引いてあげることくらい。
「ヨンホって優しいよね」
「…突然なんだよ〜」
「ねえ知ってた？女の子の練習生のなかでヨンホって人気だったんだよ」
「なあ知ってた？うちの連中ってAのことめちゃくちゃ好きで多分今も心臓止まりそうなくらい心配してる」
「…あはは、不安にさせちゃったね」
「ジョンウとマークなんか自分まで泣きそうな顔してた」
マークの顔まねをすると声をあげて笑うA。ここ数日、ずっと落ち込んでいたAの久しぶりの笑顔だった。
もう大丈夫だろう。俺たち、メンバー1人の不調さえカバーできなきゃ何のために10人もいるのかわからないじゃないか。
「公演終わったらしゃぶしゃぶ行こうよ」
「お寿司も食べたいな」
「ビックラポンしに行くんだろ？お供しますよ」
「ヨンホの“びっくらポン”の発音めっちゃシカゴ」
「何だよそれ…」
俺が立ち上がるのに倣って立ち上がったAが俺の横を歩き出す。泣いたことで張り詰めていた緊張の糸が解けたようにスッキリとした顔をしているAにもう不安は感じなかった。
公演でまたこの泣き虫はべしょべしょに泣くんだろうな。メントの時に履く予定のズボンにこっそりハンカチを忍ばせておく算段を立てながら皆の元へ戻るとげっそり痩せ細ったようなメンバーが一目散にAに駆け寄ってきた。
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まちゅ(プロフ) - むいさん» 続編ではジェヒョンにフォーカスできたらいいなあと準備しております😌❤︎続編でも何卒よろしくお願いいたします！ (2022年10月2日 13時) (
レス) id: 2b97907ab3 (このIDを非表示/違反報告)
まちゅ(プロフ) - ちょんぽむさん» わー！ちょんぽむさんありがとうございます♡夢っ子完結おめでとうございます長編お疲れ様でした…！こちらこそこれからも楽しみにしております💞 (2022年10月2日 13時) (レス) id: 2b97907ab3 (このIDを非表示/違反報告)
むい(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！続編も楽しみです♡やめろって言われるともっとやりたくなることってありますよね！ね！ジェヒョン？ (2022年10月2日 0時) (レス) @page47 id: bdb62eeb43 (このIDを非表示/違反報告)
ちょんぽむ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…😭私も紅一点もの書いたりしてるのですが、絶対出ないであろう裏設定細かく作っちゃうのすごく共感しちゃいました😂これからも楽しみにしてます💚 (2022年10月1日 22時) (レス) id: d126820032 (このIDを非表示/違反報告)
xuani - まちゅさん» そうなんですね！まちゅ様が意図的になさっていたのに、なんだかお節介妬いてしまって申し訳ないです汗 丁寧なご説明ありがとうございます！これからもお話楽しみにしてます！ (2022年9月11日 9時) (レス) id: 7a071c7ca2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まちゅ | 作成日時：2021年1月2日 5時
