ぼくらが君にしてあげられること/2 ページ20
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「A」
「ヨンホ〜…」
マネージャーヒョンに示され、ドキュメンタリーの収録のためカメラマンさんを伴って向かった先にはベンチに座って膝の上に頭を乗せて溜息を吐いていたAの姿があった。
デビューステージ、SMTOWNでのドーム公演、エトセトラ。傍目にはもっと大きなステージをたくさんこなしてきて今更緊張することなどないだろうと思えるだろうけど、気丈に見えてAは繊細なところがある。自他ともに認める俺の片割れをこんな風に探しに行くのは久しぶりのことだった。
「迷惑かけてごめんなさい、あぁ〜…泣かないようにしてたのにヨンホの顔見たら涙止まんない」
「今くらい泣いてもいいよ、そのために俺が来たんだし」
いつもなら抱きしめるけれど、カメラがあるから今日はそんな訳にも行かず隣に腰掛けて背中をさするに留める。「ティッシュいる？」「…いる」「ハンカチは？」「…持ってる」ティッシュを差し出すとずーずー鼻を噛むA。
「誰だってそういう日もあるよ。…というかデビューしてから今までお前になかったのが不思議なくらい」
「…聞かないの、私が調子悪い理由」
「何年の付き合いだと思ってるんだよ、大体わかる」
いつになく覇気のない声をカラカラと笑い飛ばすと「そっか、そうだよね」と弱々しく微笑む。
埼玉公演。この子が韓国に来るまで生まれ育った街。きっとこの子のファンも家族も友人も応援しにくる、楽しい日になるはずだ。
けれどきっと、この子にとってそれは何よりも大きなプレッシャーなのだ。成功しなければいけない、そう強迫観念のように思い詰める裏側にはいつもこの子の母の愛がある。
Aの夢を献身的に支えてくれた母。親一人、子一人。たった一人の娘を韓国に送り出してくれたと聞いている。やっとデビューできたかと思えば、将来的な不安が拭えない男性グループでのデビュー。使い捨ての駒にされるんじゃないだろうか、メンバーとの間に万が一何か起こったりしたら、はたまた、過激なアンチやファンに傷つけられたりするのではないか。
俺は一つ、罪を犯した。俺のわがままで、AをSMに引き留めた。きっとAの才能なら他の事務所からでもデビューできたに違いないしNCTでのデビューよりももっと早く成功できる道があったはずだ。別の選択肢を、将来を、俺はAの罪悪感や負い目を利用して奪ったのだ。
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まちゅ(プロフ) - むいさん» 続編ではジェヒョンにフォーカスできたらいいなあと準備しております😌❤︎続編でも何卒よろしくお願いいたします！ (2022年10月2日 13時) (
レス) id: 2b97907ab3 (このIDを非表示/違反報告)
まちゅ(プロフ) - ちょんぽむさん» わー！ちょんぽむさんありがとうございます♡夢っ子完結おめでとうございます長編お疲れ様でした…！こちらこそこれからも楽しみにしております💞 (2022年10月2日 13時) (レス) id: 2b97907ab3 (このIDを非表示/違反報告)
むい(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！続編も楽しみです♡やめろって言われるともっとやりたくなることってありますよね！ね！ジェヒョン？ (2022年10月2日 0時) (レス) @page47 id: bdb62eeb43 (このIDを非表示/違反報告)
ちょんぽむ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…😭私も紅一点もの書いたりしてるのですが、絶対出ないであろう裏設定細かく作っちゃうのすごく共感しちゃいました😂これからも楽しみにしてます💚 (2022年10月1日 22時) (レス) id: d126820032 (このIDを非表示/違反報告)
xuani - まちゅさん» そうなんですね！まちゅ様が意図的になさっていたのに、なんだかお節介妬いてしまって申し訳ないです汗 丁寧なご説明ありがとうございます！これからもお話楽しみにしてます！ (2022年9月11日 9時) (レス) id: 7a071c7ca2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まちゅ | 作成日時：2021年1月2日 5時
