ぼくらが君にしてあげられること/1 ページ19
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まだ少し肌寒いけれど、確かに春の足音が感じられる三月。ユタヒョンの故郷である大阪を皮切りに日本ツアーをスタートさせて全国七都市を巡るこのツアーを締めくくる場所。
＿＿＿Aヌナの地元、埼玉。さいたまスーパーアリーナでの3DAYSを以ってして僕たちの初日本ツアーは終了する予定だ。
いつも笑顔を絶やさないヌナが、埼玉に着いてからずっと硬い表情を浮かべている。
ヌナ以外全員男所帯のイリチルの中で、ヌナは体格や筋肉量の差というハンデを乗り越えてこのグループのメインダンサーを務めていた。そんなヌナが韓国での最終確認の意味も込めた練習からリハーサルまでダンスの細かなミスを連発しまくり、フォーメーションチェンジも何度か失敗している。デビューステージも完璧にこなして、以後も隙をあまり見せてこなかったヌナが、凱旋公演を前にスランプに陥ったのだ。
「本当に、本当にごめんなさい」
ミスをするたびに泣きそうな顔になりながらも涙を堪えようとキュッとくちびるを結ぶヌナの様子を見かねて、「一旦休憩しておいで」と優しくテイリヒョンが声を掛けた。そんなヒョンの優しさにもヌナの申し訳なさは加速したようでもっと悲痛な顔になって「外の空気、吸ってきます」と小さな声で宣言してステージを降りていった。
「…あるよなあ、もう“何もかもがあかん”みたいな時」
ヌナの背中を見てユタヒョンがぽつりと呟く。その言葉にうんうんと頷くテヨンイヒョンも心配そうな様子だった。ヌナのそんな様子にあまり大きな舞台の経験がないジョンウヒョンも少し引っ張られて若干調子が悪くなっている気がする。ジョンウヒョンはデビューしてからヌナとユタヒョンの後ろをついて回る子犬のようだったから、そんな所以もあるのかもしれない。
「…僕見てこようかな」
ヌナのあの泣きそうな顔が脳裏にこびりついて居ても立っても居られずに彼女の消えた方向に進もうとした時、「マーク」とユタヒョンが制止した。
「Aが泣くのを我慢してたのは多分お前ら弟に弱いところを見せたくないからちゃうか。今マークが行ったらAはまた無理して空元気振り撒くと思う」
ふざけるのが大好きなヒョンの真剣な声は説得力と重みを伴ってすとん、と僕の心に落ち着いた。
「ジャニ」
「…わかった、俺抜きで進めといて」
ユタヒョンの呼びかけにジャニヒョンは短く返事をして、リーチの長い足で少し離れたマネージャーヒョンの元まで素早く辿り着いたジャニヒョンは二言三言言葉を交わすと視界からフェードアウトした。
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まちゅ(プロフ) - むいさん» 続編ではジェヒョンにフォーカスできたらいいなあと準備しております😌❤︎続編でも何卒よろしくお願いいたします！ (2022年10月2日 13時) (
レス) id: 2b97907ab3 (このIDを非表示/違反報告)
まちゅ(プロフ) - ちょんぽむさん» わー！ちょんぽむさんありがとうございます♡夢っ子完結おめでとうございます長編お疲れ様でした…！こちらこそこれからも楽しみにしております💞 (2022年10月2日 13時) (レス) id: 2b97907ab3 (このIDを非表示/違反報告)
むい(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！続編も楽しみです♡やめろって言われるともっとやりたくなることってありますよね！ね！ジェヒョン？ (2022年10月2日 0時) (レス) @page47 id: bdb62eeb43 (このIDを非表示/違反報告)
ちょんぽむ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…😭私も紅一点もの書いたりしてるのですが、絶対出ないであろう裏設定細かく作っちゃうのすごく共感しちゃいました😂これからも楽しみにしてます💚 (2022年10月1日 22時) (レス) id: d126820032 (このIDを非表示/違反報告)
xuani - まちゅさん» そうなんですね！まちゅ様が意図的になさっていたのに、なんだかお節介妬いてしまって申し訳ないです汗 丁寧なご説明ありがとうございます！これからもお話楽しみにしてます！ (2022年9月11日 9時) (レス) id: 7a071c7ca2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まちゅ | 作成日時：2021年1月2日 5時
