都市の温度/3 ページ9
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スターバックスが閉まっていた代わりに近くにあるヨンホの小学校を訪れた私たちは久し振りに童心を掘り起こしてシーソーやブランコといった子どもの遊びに興じていた。
ブランコは成人男性を乗せるのに適していないので、マークやヨンホの乗ったブランコは甲高く不気味な音を立てる。「音が怖い！」と騒ぐマークと淡々と速度を上げるヨンホから少し離れたベンチにドヨンイと並んで腰掛けた。
「……オレはさ、韓国で生まれたじゃん。だからいつも故郷にいて、思い立ったらすぐ家に帰れる」
「うん」
「こうやってジャニヒョンやマーク、Aヌナの故郷に来ると思うんだよ。ヌナたちが韓国に来てくれて、文化も言葉も違う国で頑張ってくれていることは当たり前じゃないんだって」
ドヨンイはじいっと地面を見つめている。それがドヨンイの照れ隠しなのだと察せるほど、私とドヨンイはたくさんの時間を一緒に過ごしたのだ。
シカゴの夜風は冷たかった。帰路へと急かすように私たちの皮膚を撫で上げるそれに、ヨンホママの“早く帰っておいで”という言葉を思い出す。
「ありがとう、Aヌナ。NCTのメンバーでいてくれて、韓国に来てくれて、ありがとう」
歯茎を見せてはにかんだドヨンイに、きっと私たちの気持ちを真に理解することはできない。今までも、これからも。韓国で活動する以上、韓国で生まれた彼と私では感じるものも、見るものも、置かれる環境もまるで違う。
それでも、理解しようと日本語の教材に手を伸ばし、英語が話せなくても臆さずにマークやヨンホに混ざるドヨンイの姿は私たちの救いだった。故郷と同じ温度で、ドヨンイはいつも私たちを包み込んでくれる。
「Aヌナ！ドヨンイヒョン！帰ろう〜！」
マークが無邪気に私たちを呼ぶ声が辺りに木霊した。マクヤ、ちょっと待って！と叫び返したドヨンイに腕を引かれるがまま、駐車場に向かうとヨンホが私たちを置き去りにして車を走らせようとしているところだった。
「まっ、ねえヒョン自分が何してるか分かってる！？自分が何してるか分かってる！？このヒョンオレらを置いて行こうとしてるんだけど！」
「嗚呼ヒョン〜…面白くないよ〜！」
ふざけるのをやめたヨンホが車を停めると、本当に焦った、と息を吐くウサギとは対照的にヨンホはイタズラが成功してご機嫌な様子だ。
家に着いてパジャマに着替えたのち、締めの挨拶を撮っている間もマークはもう眠いのか、しきりに目を擦っていた。
明日はシカゴ・シャイタウン公演、ヨンホの凱旋公演だ。
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まちゅ(プロフ) - むいさん» 続編ではジェヒョンにフォーカスできたらいいなあと準備しております😌❤︎続編でも何卒よろしくお願いいたします！ (2022年10月2日 13時) (
レス) id: 2b97907ab3 (このIDを非表示/違反報告)
まちゅ(プロフ) - ちょんぽむさん» わー！ちょんぽむさんありがとうございます♡夢っ子完結おめでとうございます長編お疲れ様でした…！こちらこそこれからも楽しみにしております💞 (2022年10月2日 13時) (レス) id: 2b97907ab3 (このIDを非表示/違反報告)
むい(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！続編も楽しみです♡やめろって言われるともっとやりたくなることってありますよね！ね！ジェヒョン？ (2022年10月2日 0時) (レス) @page47 id: bdb62eeb43 (このIDを非表示/違反報告)
ちょんぽむ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…😭私も紅一点もの書いたりしてるのですが、絶対出ないであろう裏設定細かく作っちゃうのすごく共感しちゃいました😂これからも楽しみにしてます💚 (2022年10月1日 22時) (レス) id: d126820032 (このIDを非表示/違反報告)
xuani - まちゅさん» そうなんですね！まちゅ様が意図的になさっていたのに、なんだかお節介妬いてしまって申し訳ないです汗 丁寧なご説明ありがとうございます！これからもお話楽しみにしてます！ (2022年9月11日 9時) (レス) id: 7a071c7ca2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まちゅ | 作成日時：2021年1月2日 5時
