- epilogue - ページ31
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今日もたのしい時間を過ごして
笑って、やさしい気持ちに包まれて
風を連れて滑りこんできた準急電車
ふわりと浮く髪を押さえ
向かいのホームで手を振るみんなに
また明日ねと手を振り返した
まだ、帰宅ラッシュには早い時間
車内には高校生の姿が多い
わたしはドアの近くに立って手すりを掴んだ
忠義は、吊革を掴んで眠そうにあくびする
「眠い？」
大「おん・・・疲れた」
「ふふ、今日はいっこしか講義受けてないのに」
大「やからやん。昼寝タイムがなかった」
光の色が夕方で
西の空はあやしいピンク色に染まっていた
あやしいね、と言うと、忠義は笑った
しずかに揺られ動く帰り道
大「もう春も中盤やな〜」
「ね。そろそろ夏物の服も買いたいなあ」
大「・・・何？それは暗にデート行こうって？」
「べっ、べつにそういうわけじゃ」
大「んふ、照れんなし〜♡」
べたべたくっつきにくる忠義は
その片腕の中にわたしを抱いて
大きな手でくしゃっと頭を撫でる
悔しいけど、でも、うれしいの
口元がほころんでしまうのを
下を向いて誤魔化して
その時ふと電車が揺れたから
わたしはそのまま兄の胸に掴まった
背中に回った手が、しっかりと肩を支えてくれる
あんしんする
体温、声
もう６年目になる
見慣れた通学路の景色
今日はお昼過ぎにママからメッセージが来ていて、
パパとのデート中のツーショット写真と一緒に
今夜は家族水入らずでバーベキューをしようと
ハートの絵文字いっぱいの文面で綴られていたのだ
まったく、この夫婦も相変わらず
忠義とすこしげんなりしつつ
でもやっぱりうれしくて
「久しぶりだよね、バーベキューなんて」
最寄りで電車を降り、いつものその夕焼けの街を歩きながら、わたしは言った
なんだかとても充ち足りた気分だったのだ
となりを歩く忠義はバイクを押しながら
横顔にからりと笑みを滲ませた
大「昔は月一レベルでやっとったな。おとんの休みの日に合わせて」
「うん、愛理ちゃんたちも招待してたよね！毎回お肉と焼きおにぎりの争奪戦になるの」
大「うっわ懐かし！(笑) それとあれやん、Aはずーっとフランクフルトばっかり食べてるやつ」
「そんなこともあったねぇ・・・あの頃ほんと好きだったんだよなあ、ハムとかウインナーとか、ああいう食べもの」
大「昔からえろかってんなあ」
「・・・・・」
大「ウソデスゴメンナサイ」
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aaaa(プロフ) - 素敵なお話でした。。安田くんの最後の番外編がなんだかんだ一番心に来たかもしれません(笑)最後の事故の共鳴とか、最後に錦戸くんが気づいたところとかwでもそれに勝る大倉くんのプロポーズ代わりの言葉は最高のハッピーエンドだと思いました！完結お疲れ様でした！ (2020年9月26日 23時) (
レス) id: 37531683ef (このIDを非表示/違反報告)
りな - 長い間、楽しいお話をありがとうございました！！私の中で日々の楽しみとなっていました ！てっきり章ちゃんは亮くんが好きなんだと思ってましたがより切ない展開でしたね…。みんな幸せになってよかったです！お疲れ様でした (2019年6月1日 17時) (レス) id: 94b1ad2688 (このIDを非表示/違反報告)
くるみるく - 予想もしていなかった結果すぎてただただ感動してます（；＿；）3年間ずっと楽しみにしていて、ここまで夢中になれた作品は初めてでした！本当に伏線とか結末とかが凄すぎて凄いという言葉しか出てこない自分が情けないです｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ (2019年5月26日 6時) (レス) id: 27ccdcf918 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 夢中で読んでしまいました。まさかの展開に本当にもう1度読み返したいと思う作品で本当に楽しかったです。 (2019年4月30日 10時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 今全部読み終わりました！あとがきを見てまた最初から読みたいと思ったので読み返したいと思います！ (2019年3月30日 10時) (レス) id: aeb6f4aca7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2019年2月14日 21時
