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大「俺ら、さ。いろいろ、あったけど」
大「双子のままでいよう」
__________________忠義の言葉は、
ずっと燻っていたわたしの心を掬いあげて
そっと抱きしめて包みこんでくれた
それは気が遠くなるほどやわらかく
どこかなつかしい綿飴のような感触だった
溶けて、まるで苦かった紅茶がまるくなっていくように、わたしはこんなにも、今幸せだ
いっぱい傷ついたね
いっぱい泣いたね
いっぱい、いっぱい
お互いのことで苦しんだよね
心がズタズタになって
こわれたピースを探して彷徨って
いつも何かに怯えながら生きて
でも、もう
そんな必要もないんだよね
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だって、わたしたちは家族なんだよ
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「・・・うん」
「ずっと、忠義と双子のままでいたい」
わたしは言った。
忠義の手のひらを両手で包み
それを自分の頬に当てる
目を閉じて、すり寄せて
もっともっと体温を感じる
この手が大好きだった
大好きで大好きで、哀しかった
そしてきっと、これからもずっと大好きだ
あなたはわたしの、たったひとりのお兄ちゃん
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大「・・・でもさ、よう考えたら俺ら、むちゃくちゃラッキーじゃない？」
忠義のたのしげな声に目を開けると
覗きこむような水晶玉がそこに在った
そのひとみの奥底の宇宙に映るわたしは
おなじようにきらきらした目をしている
ふたりをつなぐ銀河の架け橋
大「だって、結婚せんでも苗字一緒やねんで？」
「・・・へ？」
大「好きな子とこうやってさ、ずっと１つ屋根の下で育ってこれたなんて・・・こんなこと、他に絶対ないやろ」
得意げに話す忠義の口からこぼれた
「好きな子」という言葉の響きに
とくん、とひとつ心臓が跳ねる
彼と触れ合っている箇所が
急激な熱をもって火照った
なんだかお腹の奥がむずむずして
くすぐったくて仕方がない
大「他人やったら切れてしまうかもしれへん縁も、兄妹で、しかも双子やったら絶対に切れへんし」
さっきから忠義は自信満々だ
間違いないと言い切って
子どもの頃のように無邪気に笑っている
ああ、
最近しばらく見ていなかった笑顔だ、と
そう思った
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aaaa(プロフ) - 素敵なお話でした。。安田くんの最後の番外編がなんだかんだ一番心に来たかもしれません(笑)最後の事故の共鳴とか、最後に錦戸くんが気づいたところとかwでもそれに勝る大倉くんのプロポーズ代わりの言葉は最高のハッピーエンドだと思いました！完結お疲れ様でした！ (2020年9月26日 23時) (
レス) id: 37531683ef (このIDを非表示/違反報告)
りな - 長い間、楽しいお話をありがとうございました！！私の中で日々の楽しみとなっていました ！てっきり章ちゃんは亮くんが好きなんだと思ってましたがより切ない展開でしたね…。みんな幸せになってよかったです！お疲れ様でした (2019年6月1日 17時) (レス) id: 94b1ad2688 (このIDを非表示/違反報告)
くるみるく - 予想もしていなかった結果すぎてただただ感動してます（；＿；）3年間ずっと楽しみにしていて、ここまで夢中になれた作品は初めてでした！本当に伏線とか結末とかが凄すぎて凄いという言葉しか出てこない自分が情けないです｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ (2019年5月26日 6時) (レス) id: 27ccdcf918 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 夢中で読んでしまいました。まさかの展開に本当にもう1度読み返したいと思う作品で本当に楽しかったです。 (2019年4月30日 10時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 今全部読み終わりました！あとがきを見てまた最初から読みたいと思ったので読み返したいと思います！ (2019年3月30日 10時) (レス) id: aeb6f4aca7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2019年2月14日 21時
