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大「俺はAのこと、ほんまの妹やと思ってる」
______________その言葉に、
再び泣き出したのはパパで
めそめそと、それこそ小さな子どものように涙を流すパパは、こうして見ると、やっぱり忠義によく似ていた
そんなパパに寄り添い目を潤ませて微笑むママは
ああ、やっぱりわたしに___________
「わたしも」
両親の真っ赤に腫れた目に見守られ
わたしは兄の、
血のつながらない片割れのやさしい笑顔を
そっと見上げて声を紡ぐ
「忠義のこと、ほんとのお兄ちゃんだと思ってる」
「本当の兄妹だし、本当の家族」
はっきりと、その答えを導きだした
長い長い時をかけて
ようやく曇りのないまなざしで見ることのできた
わたしたちの新しい景色
「なんにも変わらないよ。
パパもママも、わたしたちの本当の両親。
大倉家は、本当の家族。
_____________そうでしょ?」
こっくりと深くうなずいた忠義も
また滝みたいな涙を流しはじめたパパも
どんどんお化粧が溶けていくママも
家でお留守番しているだろうだいふくも
みんなみんな、わたしの大切な家族
それだけは、絶対に揺るがないよ
どんな真実よりも確固たるもの
かけがえのない、事実
「みんな大好き」
普段なら恥ずかしくてなかなか伝えられない言葉
勢いに任せて吐き出しちゃうと
まず一番に忠義が横から飛びついてきた
ぎゅっと抱きしめられて
俺も、と照れくさそうにささやかれて
そんなわたしたちを見て立ち上がったママが
ふたりを包むように抱きしめてくれる
たまらなくなったようすのパパが
さらに上から三人をすっぽりと包容した
(忠義は若干はみ出している)
父「・・・ママの教育の賜物か?
良く育ってるとは思ってたけど、いつの間にこんなええ子になってたんや・・・」
母「パパの包容力のおかげじゃないかしら。昔から愛情たっぷりに接してあげていたじゃない・・・」
父「いやいやママが・・・」
母「いいえパパが・・・」
大「どっちでもええわ。てか、俺らが元々デキた子らやねんて」
「ふふ、きっとそうだね」
母「・・・そういうことにしておきましょう」
父「はあ・・・Aはパパ嫌悪期も無くてほんまにええ娘やわぁ・・・」
母「だって私たちの娘だもの・・・」
大「・・・ちょ、誰か俺のことも褒めてくれへん?」
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aaaa(プロフ) - 素敵なお話でした。。安田くんの最後の番外編がなんだかんだ一番心に来たかもしれません(笑)最後の事故の共鳴とか、最後に錦戸くんが気づいたところとかwでもそれに勝る大倉くんのプロポーズ代わりの言葉は最高のハッピーエンドだと思いました!完結お疲れ様でした! (2020年9月26日 23時) (レス) id: 37531683ef (このIDを非表示/違反報告)
りな - 長い間、楽しいお話をありがとうございました!!私の中で日々の楽しみとなっていました !てっきり章ちゃんは亮くんが好きなんだと思ってましたがより切ない展開でしたね…。みんな幸せになってよかったです!お疲れ様でした (2019年6月1日 17時) (レス) id: 94b1ad2688 (このIDを非表示/違反報告)
くるみるく - 予想もしていなかった結果すぎてただただ感動してます(;_;)3年間ずっと楽しみにしていて、ここまで夢中になれた作品は初めてでした!本当に伏線とか結末とかが凄すぎて凄いという言葉しか出てこない自分が情けないです。゚(゚´ω`゚)゚。 (2019年5月26日 6時) (レス) id: 27ccdcf918 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 夢中で読んでしまいました。まさかの展開に本当にもう1度読み返したいと思う作品で本当に楽しかったです。 (2019年4月30日 10時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 今全部読み終わりました!あとがきを見てまた最初から読みたいと思ったので読み返したいと思います! (2019年3月30日 10時) (レス) id: aeb6f4aca7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べに | 作成日時:2019年2月14日 21時