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わたしはよわい子どもだった
病弱で、すぐに熱や喘息の発作を出して、
おなじ年頃の子よりひとまわりは小柄
活発に動けなかったことも関係したんだろう、
おとなしく、内気で、人見知りな子ども
―A―
―A、大丈夫やで。俺がついてるよ―
―な？もうこわくないやろ？―
―痛いのがまんできて、Aはえらいなあ―
―俺の、自慢の、いもうとや―
―俺の、自慢の・・・およめさん―
わたしは兄が大好きだった
やさしくて、強くて、あったかくて、
いつもそばにいてくれて、笑顔がすてきで、
でも、
時折わたしの風邪をもらっては
病院はいやだと大声で泣きわめくかわいいひと
兄が大好きだった
どうしても、どうしても好きだった
どうしても_____________________
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「A」
「A、はよ行くでー！」
わたしを呼ぶ、声がする。
はあい、と返事をして
わたしは切り揃えた前髪を指で払いながら
ぱたぱたと走って玄関に向かう
途中、スカーフがないことに気づき
急いで二階に上がりそれを取った
巻いている時間はないため、
リュックサックの中へらんぼうに押しこむ
母「気をつけるのよ〜」
ママの声
父「いってらっしゃい」
パパの声
大「A！そろそろ間に合わんからほんま！」
自転車にまたがった忠義の____________
「うん、ごめんね」
わたしは言い、スカートのプリーツを整えてから
その黒い学ランの背中にしがみついた
まだすこし肌寒い、でもやわらかな春のにおい
ハンドルをきゅっと握り直した忠義は
ふとこちらを振り向き見ると、
大「え、やっば！切り過ぎたん？」
ママに切られすぎた短い前髪
からからと笑いながら触ってくる
「これでも自分で応急処置したんだもん」
大「ええやん〜〜かわいいで、ちっちゃい頃みたい♡」
「・・・・・」
大「ごめんて、拗ねんといて」
ぐしゃぐしゃ、髪をかき混ぜられて
それからまた前に向きなおった背中
しっかり捕まっといてな、とひとこと
自転車はのろのろと進みだす
はす向かいのおうちの鈴木さんが
わたしたちを見て『仲良いわねえ』と目を細めて
風にゆれるセーラー服
それはまだ、何も知らない無垢の証
「・・・・・ふふ」
ただ、日々を生きていた
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aaaa(プロフ) - 素敵なお話でした。。安田くんの最後の番外編がなんだかんだ一番心に来たかもしれません(笑)最後の事故の共鳴とか、最後に錦戸くんが気づいたところとかwでもそれに勝る大倉くんのプロポーズ代わりの言葉は最高のハッピーエンドだと思いました！完結お疲れ様でした！ (2020年9月26日 23時) (
レス) id: 37531683ef (このIDを非表示/違反報告)
りな - 長い間、楽しいお話をありがとうございました！！私の中で日々の楽しみとなっていました ！てっきり章ちゃんは亮くんが好きなんだと思ってましたがより切ない展開でしたね…。みんな幸せになってよかったです！お疲れ様でした (2019年6月1日 17時) (レス) id: 94b1ad2688 (このIDを非表示/違反報告)
くるみるく - 予想もしていなかった結果すぎてただただ感動してます（；＿；）3年間ずっと楽しみにしていて、ここまで夢中になれた作品は初めてでした！本当に伏線とか結末とかが凄すぎて凄いという言葉しか出てこない自分が情けないです｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ (2019年5月26日 6時) (レス) id: 27ccdcf918 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 夢中で読んでしまいました。まさかの展開に本当にもう1度読み返したいと思う作品で本当に楽しかったです。 (2019年4月30日 10時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 今全部読み終わりました！あとがきを見てまた最初から読みたいと思ったので読み返したいと思います！ (2019年3月30日 10時) (レス) id: aeb6f4aca7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2019年2月14日 21時
