第43話 ページ43
.
やっぱり、辞めるなら私だけで十分だわ。
きっと上から呼び出しをくらうだろうし、そこだけは抗議しよう…
「とにかく、気をしっかり持てよ。A、俺はお前と部長の味方だから」
「…ありがとう、エレン。何か今の方がカッコイイかも」
「…うるせぇ。気づくの遅せぇんだよ」
俺を選んどけば、こんな事にならなかったんだぞ。
なんて笑って言う彼にとても救われた。
本当にそうかもしれない。私が貴方の気持ちに応えていれば、誰も傷つかず、皆が幸せになっていたのかもしれない。
だけど、それは私が望んだ幸せではない。
少し我儘だけど…嘘だらけの幸せより、素直のまま笑っていたい。
私の心が痛い?当たり前だ。
私自身が選んだ道なのだから。
*
エレンside
Aは意外にも平気そうな顔をしていた。
もっと焦って、泣きそうになってるんじゃないかと思っていたが、余計なお世話だったようだ。
だけど、周りが部長やA、被害者だと思われている俺やルアナに向ける視線は痛々しい。
「エレン、彼女と別れた理由が部長ってマジか?」
「はぁ?んな訳ねぇだろ。そんなデマも見抜けねぇから成績伸びねぇんだよ」
「いや、俺はなエレン。心配して言ってんだよ」
「はいはい、嬉しいありがとう泣きそうデス」
「やっぱり部長関係ねぇな…撫子様に振られたのは、お前の性格の問題だ」
そんな同期をあしらいながら、営業部へと足を運ぶ。ふと部長の方へと視線を向けると、普段通り仕事をこなしていた。
だけど、周りの反応は普段通りとはいかないようだ。
昔はヤクザだったという写真付きの証拠を皆は知ってしまったのだ。俺もビックリはしたけど…
部長は部長だし…
俺にとって憧れで、尊敬しているのは変わらない。
「おはようございます、リヴァイ部長」
「よう、エレン」
「元気そうで何よりです」
「まぁな…覚悟はとっくの昔にしてる」
そう微笑む姿は、何処と無く先程のAと重なって見えた。2人の強い絆と覚悟は同じようだった。
そこで俺もやっと心から笑顔になり、
「俺が代わりにぶっ飛ばしてきましょうか?」
「あ?誰をだ」
「ん〜、社長とか専務とか…元カノとか?俺もアイツら気に食わないんで」
「辞めとけ。俺だけで十分だ」
そうやって部長も笑うから、もっと可笑しくなる。
どうやらリヴァイ部長も戦う準備はできているらしい。
.
115人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ああ - ハッピーエンドで終われて良かったです!面白かったです (10月7日 22時) (レス) @page50 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
みゆこ - リヴァイファンにはたまりません!!好きです!! (2022年7月31日 14時) (レス) @page50 id: 88bc64309a (このIDを非表示/違反報告)
美緒ちゃん(プロフ) - 完結ありがとうございました。ハピエンですね。良かったです。次は、甘々シーンを増やしていただけると嬉しい限りです。 (2022年7月18日 21時) (レス) @page50 id: 4f2d722dc2 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(?)(プロフ) - 夢梨さん» 夢梨さん、コメントありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです…。完結できるよう頑張ります。最後までお付き合いください🙇🏻♀️ (2022年4月19日 18時) (レス) @page47 id: 2bed4e8e7b (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - 書き直される前も書き直された後も面白いです!更新のたびに読んでいたら続きが気になりすぎるので、最近は更新話数をためてから一気に読むようにしています笑😅 完結まで頑張って下さい! (2022年3月28日 21時) (レス) @page46 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はてな(?) | 作成日時:2021年5月30日 22時