第30話 ページ30
.
黙り込んだ俺にエレンはもう一度、深い溜め息をこぼした。
言いてぇことは分かる。
「何なんだよ、アンタら本当に…」
「…俺も一緒だ。ルアナに脅されてる」
「え?それって…リヴァイ部長があの女に脅されて、付き合ってるって事ですか?」
「あぁ」
「何で…部長なら、あの女くらい何ともないでしょ」
「俺もAと同じ思いだと言ったら納得するか?」
「……どういう意味です?」
「これ以上は話せねぇ。とりあえず、俺にも言えねぇ秘密…誰かにバレたくねぇことがあるって事だ」
「は?!ちょっとッ…!」
火を消し、さっさと喫煙所を出ると急いでエレンは「逃げないでちゃんと話して下さいよ!」とキャンキャン喚く犬のように着いてきた。
その姿はうぜぇし面白いが、こんなんでも可愛い部下の一人だ。俺の秘密を打ち明けて、危険な目に合わせる訳にはいかねぇ
ガン無視を貫き通し、
何も無かったように仕事を再開させる。
その時だった。
スマホの通知が鳴り、軽く確認しようと画面を開く…
「…A」
彼女の弱々しい文字が並び、『お借りしていた洋服をお返ししたいのですが、今日の仕事終わりにお時間ありますか?』とあった。
また会える喜びと、どんな顔をして会えばいいのかという動揺が上手くまとまらない。
とりあえず、『了解した。終わり次第、連絡する』と返信。余計なことを考えず、今は仕事に集中だ…
*
Aside
リヴァイ部長から返信が来て、だいぶホッとしている。もしかしたら会ってもらえないかもしれない、洋服はルアナに返しておけとか言いそうだもの…
でも本当に返すだけ…それだけよ。
その後はもう、彼に関わる事は何も無い。会うことだってないわ。新しい転職先が見つかったら、この会社ともおサラバだし。
そんなこんなで、本日も無事に仕事が終わり、近くのカフェで待っていようとエレベーターに乗り込んだ時だった。
駆け込み乗車のように乗り込んできたのは…
「あら、ごめんなさい。私も急いでて」
「…お疲れ様です、ルアナさん」
何故か目が笑っていない女狐ルアナだ。最悪…
もしかして嗅ぎつけて、着いて来ようとしてないわよね?
.
115人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ああ - ハッピーエンドで終われて良かったです!面白かったです (10月7日 22時) (レス) @page50 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
みゆこ - リヴァイファンにはたまりません!!好きです!! (2022年7月31日 14時) (レス) @page50 id: 88bc64309a (このIDを非表示/違反報告)
美緒ちゃん(プロフ) - 完結ありがとうございました。ハピエンですね。良かったです。次は、甘々シーンを増やしていただけると嬉しい限りです。 (2022年7月18日 21時) (レス) @page50 id: 4f2d722dc2 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(?)(プロフ) - 夢梨さん» 夢梨さん、コメントありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです…。完結できるよう頑張ります。最後までお付き合いください🙇🏻♀️ (2022年4月19日 18時) (レス) @page47 id: 2bed4e8e7b (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - 書き直される前も書き直された後も面白いです!更新のたびに読んでいたら続きが気になりすぎるので、最近は更新話数をためてから一気に読むようにしています笑😅 完結まで頑張って下さい! (2022年3月28日 21時) (レス) @page46 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はてな(?) | 作成日時:2021年5月30日 22時