第3話 ページ3
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「ね?リヴァイさん」
「あぁ、確かに居なかったな」
「そう、ですか…」
「Aちゃんも彼氏をお迎えなんて私達みたいに順調なのね」
「あはは…」
じゃあ、またね!とルアナはリヴァイ部長の腕を引っ張って去って行った。
なに勝手に話を進めて理解した振りをしてやがる。
あの女狐め…
私は複雑な感情を握り潰すように手を握る。
何が複雑ですって?そりゃ勿論、色々よ。
私は確かにエレンと付き合っている。
だが、そもそもエレンが嫌いだ。
じゃあ何故、付き合っているのかと言うと…
「あれ、A。何か用か?」
「…エレン」
「まさかランチ誘いに来た?」
「バカ言わないで、誰がアンタと…」
「そんな態度、彼氏にとるもんじゃねぇぞ。ほら、昼飯食おうぜ」
「嫌だ。手作り弁当なんて柄じゃないし」
「手作り弁当?何の話だよ、俺も今日はテイクアウト弁当だよ」
ため息を一つ。
何で、顔だけがいい生意気なガキと私は付き合ってるんだろう。
彼を睨みつけていると、エレンは笑みを浮かべ「そんな睨んでると知らねぇぞ」とスマホを振った。
その中には私の昔の写真が入っており、その写真こそが私の弱み。彼が脅してきた品物だ。
つまり、「俺と付き合わねぇと、この写真を社内にぶちまけるぞ♡」と彼に脅された為に私は彼の彼女となったのだ。阿呆らしい…
「Aの店なら俺通ったのに」
「声デカいんだけど」
「何の話か知らねぇよ、誰も」
「……」
私の店とは、まぁそういう事で。
元ナンバーワンキャバ嬢という肩書きを持っていた私であるが、別に言い振らせば?と最初は思った。
面倒事になれば転職すればいい話。
別に今の職場に思い入れもないし…
だが、一つだけ困る事があったのだ。それは…
「ま、リヴァイ部長が知ったらあのしかめっ面も崩れるだろうな」
「……マジで止めてよ?」
「それはA次第だろ?」
「まったく全てに腹立つわ」
「ふーん、そういうこと言うのか」
「ごめんってば」
私の憧れであるリヴァイ部長に元キャバ嬢だったなんて知られたくない。その一心でエレンに謝りまくる。
元ナンバーワンキャバ嬢?何よ、最高にカッコイイじゃないの。そんな自負がない訳ではない。
だけど、リヴァイ部長は絶対に清楚系女子が好きに決まってる。現にルアナと付き合ってるじゃないか、それが何よりの証拠…
そう、私はルアナの恋人である、
リヴァイ部長が好きなのだ。
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ああ - ハッピーエンドで終われて良かったです!面白かったです (10月7日 22時) (レス) @page50 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
みゆこ - リヴァイファンにはたまりません!!好きです!! (2022年7月31日 14時) (レス) @page50 id: 88bc64309a (このIDを非表示/違反報告)
美緒ちゃん(プロフ) - 完結ありがとうございました。ハピエンですね。良かったです。次は、甘々シーンを増やしていただけると嬉しい限りです。 (2022年7月18日 21時) (レス) @page50 id: 4f2d722dc2 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(?)(プロフ) - 夢梨さん» 夢梨さん、コメントありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです…。完結できるよう頑張ります。最後までお付き合いください🙇🏻♀️ (2022年4月19日 18時) (レス) @page47 id: 2bed4e8e7b (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - 書き直される前も書き直された後も面白いです!更新のたびに読んでいたら続きが気になりすぎるので、最近は更新話数をためてから一気に読むようにしています笑😅 完結まで頑張って下さい! (2022年3月28日 21時) (レス) @page46 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はてな(?) | 作成日時:2021年5月30日 22時